異所性胃粘膜とは?

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    「異所性胃粘膜」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
    異所性胃粘膜とは、胃粘膜が胃以外の臓器に見られたり増殖したりすることをいいます。主に先天的(生まれつき)のものと後天的(生まれてから何らかの変化を起こす)ものとに分けられます。

    医師が普段の診療中に出会う先天的な「異所性胃粘膜」は、通常、食道や十二指腸球部に分節状の小結節または茎のないポリープとして見られ、あまり病的な意味がないものです。胃液を分泌する主細胞や副細胞を持つ胃底腺粘膜から成っています。


    食道の異所性胃粘膜です。


    十二指腸の異所性胃粘膜です。
    青い色素を散布することで凹凸を強調しています。

    他に先天的なものとしては「メッケル(Meckel)憩室」というものも有名です。少し話が難しくなってしまいますが、胎生初期の造血の場である「卵黄嚢」 と、将来空腸〜横行結腸の一部になる「原始腸ループ」を結ぶ「卵黄腸管」というところがあります。胎生7〜8週には閉鎖し消失するのですが、どういうわけかそのまま残ってしまい消化管の壁が限局した嚢状に膨れ出てしまったものを「メッケル(Meckel)憩室」といいます。このメッケル憩室の中にしばし ば、胃粘膜の迷入が見られることがあります。

    後天的なものについては、再生性変化(キズの治癒)に関連しており十二指腸潰瘍や十二指腸炎の治癒過程・炎症性腸疾患(たとえばクローン病などの瘢痕)によく見られます。この場合の胃粘膜は主細胞や副細胞がない、またはあっても粗い幽門腺粘膜から成っています。


    さて、異所性胃粘膜の何が問題かというと・・・非常に稀なことですが、胃粘膜が腫瘍性変化を起こす、または潰瘍や消化管穿孔の可能性があるということです。 異所性胃粘膜それ自体は普段の症状は特にありません。胃痛や胸焼けなどの症状があって、たまたま受けた内視鏡検査で偶然発見されるというケースがほとんどです。しかし、胃ではない臓器に生息しているので、大きく育とうとして腫瘍のように変化してしまい実際に組織を奥深くまで調べると悪性細胞が含まれている、または周囲の組織が胃酸分泌に耐えられず潰瘍を作ったり消化管穿孔(消化管に穴が空いてしまうこと)を起こし緊急手術になる場合もあるなど、普段無症状の割にはかなり恐ろしいことが起こることもあるのです。
    特に症状がなくても、経鼻内視鏡検査を定期的に受けられることをお勧め致します。

    大腸粘膜内がん(m癌)が内視鏡切除で治癒可能である理由とは?

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      大腸癌と聞くと、開腹手術や人工肛門になるかも、といったイメージをお持ちになる方も多いかと思います。
      確かに、進行した大腸癌の中には、開腹外科手術や人工肛門造設によるライフスタイルの変更を余儀なくされる方もいらっしゃいます。しかし、早期大腸がんのほとんどは内視鏡で切除して完治できるの です。今回は、大腸の早期がんのうち、最も早期である「粘膜内がん(m癌)」が内視鏡で治癒可能な理由をご説明いたします。


      それは、ズバリ!

      「粘膜内がん(m癌)」は、リンパ節などの他臓器への転移の可能性が0%だからです。





      「粘膜内がん(m癌)」が他臓器への転移の可能性が0%である根拠は以下のように説明されることが多いです。

      ・まだ早期すぎて転移能力をもたない
      もし転移能力がないのなら、そもそも「悪性腫瘍」の名を語る資格がありません。

      ・統計的な事実がある
      100%正しいのですが、これは根拠の説明にはなっていないのですが。

      ・粘膜内にはリンパ管がない
      血行性転移も0%という事実を説明できません。

      ・そもそも、これくらい早期のものはがんではない!?
      最初に書いた「転移能力がない」に近い説明です。
      実は日本では「粘膜内がん」は癌と呼ばれますが、西洋では癌の範疇に入っていません。


      ・・・いかがでしょうか。
      当院では、大腸内視鏡検査で早期がんが発見されれば、原則その場で切除を行います。
      約10日後以降に病理検査の(採取した細胞を顕微鏡で確認する)結果をお伝えして、「粘膜内がん(m癌)」であったかどうかもわかります。定期的な検査を受けて頂き、適切な治療でご自身のお体をご自愛くださればと思います。

      神経性胃炎について

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        皆さんは“神経性胃炎”をご存知ですか?
        神経性胃炎とは、胃の内視鏡検査を受けても異常がないのに胃の機能が 低下し慢性的に胃の不快感や痛みが続いてしまう疾患の総称のことをいいます。“名前は聞いたことはあるけど、一体どんな状態のことだろう?”なんて思う人 もいらっしゃるのではないでしょうか?そこで今回は“何故神経性胃炎は起きるのか”または“どんな症状なのか”などについてお話していきたいと思います。

        ●神経性胃炎の原因
        ま ずは原因についてですが神経性胃炎はストレスが関与していることが考えられています。ストレスを感じると、胃の働きをコントロールしている自律神経のバラ ンスが乱れ食物を運ぶためのぜん動運動が正常に行われなくなるため胃の不調を訴えるようになります。また、胃酸が増加するので胸焼けするようになり食欲不 振や不眠などの症状も起こります。

        ●神経性胃炎の症状
        症状としては胃の痛み・胸焼け・胃もたれ・吐き気・食欲不振などです・・・これは胃炎と同様の症状となります。
        では胃炎と神経性胃炎はどう違うのでしょうか?
        胃炎は胃の粘膜に炎症が起きることで胃の痛みや不調をきたします。それに対し、神経性胃炎はバリウム検査や胃内視鏡検査などの検査をしても異常所見がありません。何故、神経性胃炎は胃に異常所見がないのに胃炎と同様の症状が起きるのでしょうか??不思議ですね。
        そ の理由は、ストレスによって胃の働きが悪くなるために胃の痛みや不快感、はたまた食欲不振などの症状が起きると考えられています。胃は食べ物を消化するた めに胃はぜん動運動を行っていますが、このぜん動運動をコントロールしているのは自律神経です。ストレスが過剰に(または長期的に)かかると自律神経が乱 れ、胃のぜん動運動が通常通りできなくなり食べ物を上手く消化できなくなってしまうという訳です。

        ●神経性胃炎の治療方法または改善方法
        神 経性胃炎の治療方法としては、胃の痛み・胃もたれ・胸焼けなどを改善するために消化剤や制酸剤・健胃剤などの薬の服用をしますが、原因である精神面の問題 を解決し自律神経を整えなければ症状は良くなりません。場合によっては精神安定剤を処方されることもあります。改善方法としては、ストレスを解消するこ と・ストレスの原因を少しでも取り除くこと・生活習慣や食生活を見直すことが何より大切なこととなります。

        ●神経性胃炎になりやすいタイプの人
        生活習慣などによっては神経性胃炎になりやすい人とそうではない人と違いが出てきます。

        *遅くまで仕事をする日が多くある人
        *熱中する趣味がない人
        *生活が不規則な人
        *寝不足であることが多い人
        *食べ過ぎや飲み過ぎが多い人
        *消化の良い物をあまり食べない人

        以上のような人がなりやすいと考えられています。職種や勤務形態、付き合いなどでなかなか変えるのは難しいとは思いますが可能な限りは少しでも改善していきたいものですね。

        いかがですか?神経性胃炎について少しはご理解頂けたでしょうか?
        胃炎と症状が非常によく似ているので、このような症状がある方はその違いを見過ごさないよう注意する必要があるかと思います。少しでも気になる方は早めに受診なさってくださいね。

        潰瘍性大腸炎の累積癌化率

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          潰瘍性大腸炎の患者さんは、この潰瘍性大腸炎という病気とどのように付き合っていらっしゃるでしょうか?
          寛解期に入ったからといって、油断は禁物です。自己判断で通院をやめてしまってはいないですか?
          しっかりとお薬を服用し治療を続けていく事が大切です。
          (参照)潰瘍性大腸炎とは

          今回のお話しは潰瘍性大腸炎の累積癌化率のお話しとなります。・・・・そうです。潰瘍性大腸炎は発がんしやすいことが知られているのです。累積癌化率などと聞くと、ただでさえ難病である潰瘍性大腸炎に罹っている患者さんは不安な気持ちを抱かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、今回のブログでお伝えしたいことは内服薬での治療の大切さと、定期的な検査がいかに重要かということです。

          まず、潰瘍性大腸炎の基本事項から。
          ≪潰瘍性大腸炎は今も増え続けている≫
          潰瘍性大腸炎は、わが国の罹患率や有病率は欧米に比べて低率ではありますが、1970年以降急激に増加しています。発症年齢のピークは男性で20〜24 歳、女性で25〜29歳にみられますが、若年者から高齢者まで発症します。男女比は1:1で性差はみられません。患者数の推移を特定疾患医療受給者証交付件数からみると、平成21年度には113,306人が登録されており、毎年増加の一途を辿っています。米国の100万人と言われている患者数に比べると、 まだ10分の1程度ですが、他人事ではない病気ですね。


          さて本題、「潰瘍性大腸炎の累積癌化率」でしたね。

          ≪潰瘍性大腸炎から大腸癌が発生しやすい≫

          この潰瘍性大腸炎を母地とした大腸癌(colitic cancer)の発生率は罹患年月とともに増加します。
          潰瘍性大腸炎の患者さんの追跡調査の結果から、累積癌化率は10年で0〜5%、20年で8〜23%、30年で30〜40%と推定されています。ららぽーと横浜クリニックには100人以上の潰瘍性大腸炎の患者さんが通院していますが、実際の発がん率はそれらの数字よりやや低い印象ですが、健常者とは比較にならないほど癌化していると思われます。実際、当院には、他院で内視鏡検査が痛かったため、しばらく定期的な大腸内視鏡検査を避けていたという患者さんが多く来院されるのですが、その中には既に癌が発生してる患者さんも何人もいらっしゃいました。

          ≪潰瘍性大腸炎の罹患範囲が広ければ発がん率も高い≫

          欧米の報告では癌合併率は罹患してから10年間で、全大腸炎型で6.3%、左側大腸炎型で1.0%、直腸炎型ではリスクはないと報告されています。つまり、罹患範囲が広いと発がん率も高いのです。

          以上を考え合わせると、
          潰瘍性大腸炎の発症後長期経過(10年以上)した症例、特に全大腸炎型では、慢性炎症を背景とした炎症性発癌の合併のサーベイランス(予防と管理をすること)が重要となります。
          潰瘍性大腸炎から発生する大腸がんは通常の大腸癌と比較して分化度の低い癌や浸潤癌(つまり性質の良くない癌)の比率が高く、肉眼的に大腸炎の所見と紛らわしいこともあって早期発見がなかなか難しいのです。


          近年、症例対照研究で5-ASA製薬(メサラジン)の継続投与が潰瘍性大腸炎の緩解を維持するとともに、大腸癌発生のリスクを減少させることがわかってい ます。また、定期的な受診や下部内視鏡検査も大腸癌抑制の要因と報告されていますが、これは内服継続効果と同義の現象だと思われます。
          ・・・・内服薬での治療継続がいかに大切か、定期的な大腸内視鏡検査がいかに重要かということです。

          *5−ASA製薬 (5-アミノサリチル酸薬)とは
          5−ASA製薬は潰瘍性大腸炎の治療薬として、世界中で広く使用されています。
          5−ASA製薬には従来からのサラゾスルファピリジン(サラゾピリン)と、その副作用を軽減するために開発された改良新薬のメサラジン(ペンタサやアサ コール)があります。経口や直腸から投与され、持続する炎症を抑えます。炎症を抑えることで、下痢、下血、腹痛などの症状は著しく減少します。5-ASA 製薬は軽症から中等症の潰瘍性大腸炎に有効で、再燃予防にも効果があります。現在、潰瘍性大腸炎を完治に導く内科的治療はありませんが、5−ASA製薬の ように腸の炎症を抑える有効な薬物治療は存在します。治療の目的は大腸粘膜の異常な炎症を抑え、症状をコントロールしていくことです。

          潰瘍性大腸炎の陰窩膿瘍(crypt abscess)とは

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            潰瘍性大腸炎は慢性炎症性腸疾患の一つです。慢性に消化管粘膜に炎症を引き起こす、いまだ原因不明の難治性疾患なのです。
            (参照)潰瘍性大腸炎とは

            陰窩膿瘍(crypt abscess)とは、潰瘍性大腸炎の患者さんの炎症粘膜の病理所見(顕微鏡で見た所見)のひとつです。医師は大腸内視鏡検査の時に潰瘍性大腸炎を疑った場合に組織の生検を行い、顕微鏡所見でもって確定診断を下すことになります。潰瘍性大腸炎の確定診断に有用な所見が、この「陰窩膿瘍」なのです。


            では、「陰窩膿瘍 crypt abscess」の実際の写真をば。


            顕微鏡検査で陰窩膿瘍 crypt abscessを拡大したもの。腺管内に炎症細胞が充満しています。


            粘膜層の強拡大で炎症細胞(リンパ球や形質細胞、好中球)の著名な浸潤が見られます。また、(1)の部分に不正な形態を持つ陰窩が存在しています。


            上の写真と解説文でわかりましたでしょうか・・・・
            病理所見って、どこがその部分なのか、わかりにくいんですよね。
            専門医師以外は、わからなくても特に問題ないのかもしれません。

            「陰窩膿瘍」
            は潰瘍性大腸炎に比較的特有のものとされて降り、確定診断の目安と理解してもよいでしょう。
            潰瘍性大腸炎の病理所見は、この陰窩膿瘍以外には「腺管杯細胞の減少」「上皮の変性・脱落・消失」などもあります。腺管には構造異型として異常分岐や大小不同がみられる事があります。



            潰瘍性大腸炎と診断された患者さんは必ず一年に一度は大腸内視鏡検査をうけて、病状の確認をして下さいね。「陰窩膿瘍」の 確認のほか、全大腸炎型の方は罹患してから7〜8年以上経過すると癌化し始めることが分っています。また、潰瘍性大腸炎の治療の心得ですが、再燃再発時は 【早期にしっかりと治療する事】がとても大切となっています。悪くなってから治療を始めるまでの時間が長い程、寛解導入にも時間がかかってきます。

            蟯虫(ぎょうちゅう)検査と便潜血検査を混同しないように!!

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              市や勤務先の健康診断において「2次検査の必要あり」との結果で、大腸内視鏡検査を受けられる方が、当院にはたくさん来院されます。代表的な例としては便潜血検査で陽性となったケースです。
              さっそく問診をとらせていただきますと、時々「便の検査をしたのですが、虫はいなかったのに陽性と言われました。」と、おっしゃる方がいてビックリします。便潜血検査のことを、昔、小学生時代に行った「蟯虫(ぎょうちゅう)検査」と混同されているようなのです。

              便潜血検査は蟯虫(ぎょうちゅう)の検査ではありません。同じ便の検査でも検査内容が違います。
              今日は“ぎょう虫検査”と“便潜血検査”の違いについてお話していきましょう。

              ★ぎょう虫検査とは?

              昭和20年代には寄生虫の保卵率は全国民の70〜80%(!!!)もあり、寄生虫症は結核と並んで“国民病”と言われていました。しかし昭和50年代になる と、化学肥料の普及と下水道など衛生環境の整備が進んだことに加え、集団検便や集団駆虫の普及により寄生虫の感染率は1%以下に激減しました。
              しかし、現在でも寄生虫が“完全に無くなった”という状況にある訳ではありません。衛生環境が良くなり、殆どの寄生虫が消滅していった中で、ぎょう虫はそこそこ高い寄生率を維持しているのです。 年齢別にすると、幼稚園や小学校の子ども(5〜10歳)に5〜10%の高い寄生率がみられるという報告もありますし、子ども達の両親の年齢層である 30〜40歳にも第2のピークがみられます。 オーガニックブームと関連があると言われています。

              (以下の一段落は、ぎょう虫に関してやや詳しくマニアックに・・・・読み飛ばしOKです)
              ぎょう虫はヒト固有の寄生虫で、成虫は盲腸や虫垂に寄生しています。メスはお腹の中に卵がいっぱいになると、人が眠った後に肛門から出て肛門周囲に卵を産みます。産卵の終わったメスは死んでしまいますが、卵の発育は非常に早く産卵後2〜3時間で内部に幼虫が形成され感染力を持つようになります。メスが肛門から出てその周囲に産卵する時に痒みがある為、掻くと虫卵が手に付く、または無農薬で栽培された野菜をよく洗わないうちに摂取した場合などで感染すると言われています。虫卵は下着やシーツなどの寝具に付いたり、床に落ちた物がチリやホコリと一緒に鼻や口から入ってきます。その為家族内や集団生活の場での感染が起こりやすいのです。(ふうっ。ここまで読み疲れていませんか?)


              ぎょう虫の虫卵は肛門外に産みつけられる為、検便では虫卵を見つけることができません。その為、セロハンテープ肛囲検査法により肛門の周囲についた虫卵をセロテープに貼り付けて顕微鏡で調べます。これは特殊な粘着性のテ−プを肛門のひだを伸ばした状態で強く押しつけて、そのテ−プについた虫卵を顕微鏡で調べる方法です。朝、目が覚めた時にそのまま寝床の中でテ−プを肛門にあて、上から5、6回押さえるのです。


              ぎょう虫検査キットです。この検査フィルム、見覚えありませんか?おそらく誰もが小学校の頃に経験があるのではないかと思います。尚、もしも感染が確認された場合は駆虫剤を内服しほぼ陰性化するとされています。



              ★便潜血検査とは?

              その名の通り、便に血液が潜んでいるかどうかを調べる検査のことです。
              消化管のどこかで管腔側(内側)から出血すると、便の中に血液が混入します(血便)。大腸ガンや大きな大腸ポリープなどで、便と擦れてしまい出血が多い場合 には、出血の部位によりタール便から暗赤色、鮮紅色の血便となりますが、出血が少量の場合には肉眼的な変化に乏しく、便の潜血反応を行うことで消化管出血 の有無を診断します。 以前行われてきた化学的便潜血検査(化学法)は、便中の血液成分による反応を利用した非特異的血液検出法です。この方法には動物の血液を含む肉食や鉄剤、 そしてある種の薬剤と反応してしまうため、偽陽性になりやすいという欠点がありました。
              そこで、近年用いられているのが、便中のヒト由来のヘモグ ロビンに特異的に反応を示す免疫学的便潜血検査(免疫法)です。この免疫法はヒト以外の血液に反応しないので、食事制限の必要がないのです。最近では免疫法が大主流で、大腸ガン検診の一次検査や下部消化管疾患のスクリーニング法として用いられています。なお、検診では1日1回ずつ2日間続けて採取する「2 日法」が主流となっています。


              便潜血検査は例えばこんなキットで行われます。
              いろいろなキットがありますが、採便の苦労がないように工夫されています。


              ・・・・いかがでしたでしょうか?
              同じ便の検査でも、検査の目的や調べる内容が違いますね。
              もしお手元に健康診断の検査結果があるようでしたら、もう一度ご確認してみてはいかがでしょうか?

              肥厚性胃炎とは

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                今回は慢性胃炎の一つ「肥厚性胃炎」についてお話し致します。

                日常生活の中で慢性的に「上腹部の不快感」「胃もたれ」「胃痛」などの症状を感じている病態のことを「慢性胃炎」と呼びます。この「慢性胃炎」の原因は一概には言えませんが、ストレスやアルコール、コーヒー、香辛料、冷たいもの、熱いものなど刺激物の過量摂取、アスピリンや抗生物質、非ステロイド性抗炎症剤、副腎皮質ステロイド剤など薬の副作用などがあることがあります。また、ヘリコバクターピロリが原因となることもあります。
                この慢性胃炎の状態を経鼻内視鏡で観察したら、以下の代表的な所見が見られます。

                ”汁慇胃炎(胃粘膜表面で軽い炎症のある状態)
                △咾蕕鸚胃炎(炎症により胃粘膜表面がえぐれた状態)
                0狃明胃炎
                と邯性胃炎(胃粘膜表面が正常より厚くなった状態)

                そしてそう、今回はい痢嵌邯性胃炎」についてお話したいと思います。
                 
                【肥厚性胃炎】とは
                萎縮性胃炎(胃の粘膜が薄くなり、胃腺が働かなくなって粘膜が萎縮するもの。高齢になるほど萎縮性胃炎の人の割合が増えていきます。)と逆に胃の粘膜が厚くなるもので、胃液やその中の胃酸の分泌が増加し、過酸症がみられることがあります。
                症状としては、胸焼けやげっぷ、呑酸(胃液が口までこみ上げ、口の中が酸っぱくなる状態)、空腹時の胃の痛み、胃もたれなどの症状が現れます。これらの症状は肥厚性胃炎だけではなく、十二指腸潰瘍、食道がん、胃がんなどでもみられる症状なので、経鼻内視鏡による診断を受けることが先決です。
                肥厚性胃炎の治療と致しましては、胃の粘膜の状態に応じて胃酸の分泌を抑える薬や胃腸機能を調整する薬を使用し治療を行います。


                (肥厚性胃炎の内視鏡所見 粘膜ヒダの肥厚がある)


                慢性胃炎の原因として、胃潰瘍の原因や胃癌の発癌リスクを高める【ピロリ菌】の感染が深く関わっていると言われています。なんと胃潰瘍の約70%以上、十二 指腸潰瘍の90%以上がピロリ菌によると考えられています。また胃癌に関しても、ピロリ菌に感染していない人に比べると、ピロリ菌感染者は胃癌の発症のリ スクが約10倍以上も高くなることが分かっています。

                当院では胃の内視鏡の検査時に、ピロリ菌がいるかどうかを同時に調べることが出来ま す。胃の表面粘膜組織をつまみとり、試薬につけることで検査します。ピロリ菌が陰性だと検体は黄色くなり、陽性だと綺麗なピンク色になります。検査したその日のうちに結果が分かり、もしも陽性でしたら、そのままピロリ菌の除菌治療をご案内できますので、胃の内視鏡の検査を受ける方は同時に検査することをお勧め致します。

                大腸がん手術後の吻合部潰瘍とは

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                  大腸の吻合部潰瘍とは大腸癌の手術をした患者さんの吻合部(つなぎ目)に出来る潰瘍のことです。
                  普通は「吻合部潰瘍」というのは、胃の話です。つまり、胃の手術をした患者さんの吻合部(つなぎ目)に出来る潰瘍のことを指すことがほとんどなのです。ところが、今回はあえて大腸がん手術後の吻合部潰瘍について書きます。

                  大腸の基本的な機能
                  大腸は水分の吸収をし、消化された食べ物を便として身体の外に出すという働きをする器官です。皆様ご存知のように便は下痢でもしなければしっかりと形がありますよね?便秘の方は便が硬いと思うこともあるでしょう。




                  大腸の吻合部潰瘍ができるメカニズムはいくつか考えられます。
                  1、 大腸がんで開腹手術をして、大腸を部分的に切除してつなぎ合わせる手術をしたとしましょう。硬い便が手術をしたばかりの吻合部に、繰り返しこすれるような刺激が加わったとしたらどうでしょうか?あたかも硬いたタワシで軟らかい新品のタオルをゴシゴシをこすった場合のように簡単に傷(潰瘍)ができてしまうのは想像に難くないでしょう。
                  2、あるいは、手術は患者さんの身体的な負担が大きく、加えて吻合部は血流がいきわたりにくくなっているものです。普段はお腹の中にいても平気な大腸菌さえも、吻合部に炎症を引き起こす一因となりうるのはないでしょうか。
                  3、 次に、術後は大腸の構造そのものが変わります。そのため便秘や下痢などをすると、大便が長く腸の中に滞ったかと思えば、次から次へと水のような便を押し出したりします。腸壁にとっては無理矢理伸ばされたりぐっと収縮したりと、スパルタな?訓練を強いられ、本当は腸の傷口を修復しなくては行けないのに、便通 によって腸の血流が妨げられて潰瘍をつくる場合も考えられます。
                  4、その他としては、腫瘍細胞が切除部位の近くに残っていて、局所再発した場合。がんの再発が、吻合部に潰瘍形成したように見えることがあります。

                  大腸がん切除後は、術後の経過観察のために毎年の内視鏡検査が必要になります。吻合部の潰瘍はもちろんのこと、局所再発や異時性の大腸がんやポリープの発生をチェックすることが重要なのです。                          


                  胃切除後の吻合部潰瘍とは

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                    このタイトルをご覧になって「え!?大変な思いをして手術をしたのにまた違う病気になるの?」と思うかもしれませんがご安心ください。この吻合部潰瘍、実はあまり多くみられる症例ではないんです。

                    『吻合部潰瘍(ふんごうぶかいよう)』とは・・・
                    胃癌や胃十二指腸潰瘍の手術をした患者さんの吻合部(つなぎ目)に出来る潰瘍のことです。
                    吻合部潰瘍は、術後約1〜2年以内に起こることが多く、切除胃と十二指腸を吻合した部位に潰瘍ができるため、空腹時の上腹部痛・胸やけ・悪心・嘔吐など、普通の胃潰瘍や十二指腸潰瘍とそっくりの症状が現れます。また、出血を伴う場合は吐血や下血を認めるケースもあることなども通常の消化性潰瘍と共通です。
                    (参照) 胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは

                    通常、胃や十二指腸の病気で胃切除術が行われる場合は、良性でも悪性でも胃酸分泌がなくなるような手術法=減酸手術(亜全摘術 or 迷走神経切断術)が行われるため、吻合部に潰瘍はできにくいないとされています。では、なぜ潰瘍ができてしまう症例があるのでしょうか?
                    その理由として
                    ^濱攴し消化管を再建した部位付近の血流障害が起こっている。
                    胃の幽門腺が残存していると、そこから分泌されたガストリンという消化管ホルモンによって胃酸分泌が亢進し、これが粘膜など細胞組織に障害を起こして潰瘍形成する。
                    D掾腓僚亰譴篝孔などで緊急手術、あるいは Palliation(緩和)目的の手術で減酸処置を行ってない時、あるいは減酸手術を施行したが不十分である
                    などの原因が挙げられます。


                    胃の主な働きは食べ物を消化することですね。
                    高い酸性の胃液を分泌して食べ物を消化するため、術後の小さくなった胃に対しても術前と変わらない胃液分泌量では胃粘膜や胃とくっつけた十二指腸や小腸は簡 単に傷ついてしまいます。また、消化管をはじめ人の身体に傷ができると、もとの皮膚や粘膜の状態に戻るには、血液からたくさんの酸素や栄養をもらい、傷 (潰瘍)の修復をします。ところが胃液など粘膜を傷つけてしまう要因があると、潰瘍が治るまで時間がかかるものです。
                    特に術後などは、その修復まで長くて数年かかる場合もあるくらいなのです。


                    ・・・・あまり多くない症例と言っておきながら、記事にするとこんなにも書けるのですね。
                    手術後も身体の一部が変わるのでご自身の身体でありながら戸惑うことも多いでしょう。私たちは少しでも安心して皆様が毎日を過ごせるようサポートできればと考えています。吻合部の潰瘍以外にも新しい病変ができたりしていないか、胃のチェック(つまり内視鏡検査)をしっかり行ってさえいればを恐れて恐々と生活 する必要もありません。「手術はもう何年も前だけど、内視鏡はしばらくしてないなぁ」という方、ご自身やご家族のためにまずは今の胃の状態を見直してみませんか??

                    潰瘍性大腸炎の「鉛管様腸管」とは

                    0

                      潰瘍性大腸炎の内視鏡検査や注腸造影の所見で、「鉛管様腸管」というものがあります。
                      正常な大腸は、襞(ひだ;ハウストラと呼びます)でくびれたようになっています。それに対して、炎症が繰り返し起こった潰瘍性大腸炎の患者さんの大腸は襞が消失し、ズドーンとしたまるで鉛管の様相になります


                      (正常な大腸)


                      (潰瘍性大腸炎患者の鉛管様腸管)


                      そもそも潰瘍性大腸炎とは
                      潰瘍性大腸炎とは、大腸粘膜の慢性持続的な炎症によって粘膜がおかされ、そこに浅い潰瘍(粘膜の深い欠損)やびらん(ただれ)が多発する病気です。症状は血便や粘液便で、症状が良くなったり(寛解)、悪くなったり(再燃)を繰り返します。原因はいまだ不明です。(参照)潰瘍性大腸炎とは


                      潰瘍性大腸炎で一定以上の炎症が繰り返し起こると、大腸粘膜の萎縮や短縮が見られ(硬くなります)鉛管様腸管になってしまいます。その結果、大腸の蠕動運動 (ぜんどううんどう;消化された食べ物を運ぶ働き)がうまくおこらなくなってしまいます。詳しく書くと、本来なら便は蠕動運動によってゆっくりと直腸まで送られてくるのですが、鉛管様腸管ではまっすぐなパイプを流れ出るように便が排泄されてしまい、下痢や便通異常につながるのです。
                      この「鉛管様腸管」のような潰瘍性大腸炎のややレベルの高い所見にならないためにも、潰瘍性大腸炎の患者さんは寛解期(病状が落ち着いた時期)に入り症状が落ち着いたからといって、自己判断で通院&内服をやめることのないようにして下さい。潰瘍性大腸炎は長期間にわたって炎症をコントロールしていくことが重要です。私たちもサポートさせていただきますので一緒に潰瘍性大腸炎とうまく付き合っていきましょう。



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