胃潰瘍の深さによる分類

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    皆さんは日常の何気ない会話の中でこんなやりとりをしたことありませんか?
    「最近、よく胃が痛くなるのよね。」 「もしかして胃潰瘍とかになってるんじゃない?」 
    あまりにも皆様の会話に自然に入り込んでいる「胃潰瘍」は胃痛をきたす病気の代表と思われています。

    そもそも胃潰瘍とは
    そもそも胃潰瘍というのは、胃や十二指腸の壁に傷が付き粘膜の下までえぐられた状態をいい、十二指腸潰瘍と合わせて「消化性潰瘍」と呼ぶこともあります。胃はペプシンという消化酵素と塩酸を分泌します。その消化作用はかなり強力で、空腹時はPH1〜2(強酸性)、胃液の分泌量は1日あたり1〜2リットル!と言われています。こんなに多量で強力な胃液であれば胃壁自体も消化されそうに思われますが、普段は胃の粘液分泌や胃粘膜の血流などが防御因子となり、バランスがうまく保たれることによって胃の粘膜は傷がつきません。しかしストレスや喫煙、過度な飲酒、過労などによって胃液と胃粘液の分泌のバランスがくずれて潰瘍ができてしまうことがあります。またピロリ菌の感染により胃の粘膜で炎症を起こし、粘膜を障害して潰瘍ができてしまうという機序も起こりえます。 
    (参照)胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは


    胃・十二指腸潰瘍の分類には様々な方法はあります。
    潰瘍ができる部位による分類(胃角部潰瘍、幽門部潰瘍など)、個数による分類(1つであれば単発性潰瘍、2個以上であれば多発性潰瘍など)、潰瘍の経過による分類(できたばかりで出血の心配があるものは活動期潰瘍、治りかけの時期と判断できるものは治癒期潰瘍など)などがあります。現在、臨床の場で最も多用されるのは「胃潰瘍の経過による分類」でしょうか。
    ところが今回このブログ記事では、あえて「胃潰瘍の深さによる分類」を解説します。まずはイラストから。基本知識として、胃壁は内から粘膜層、粘膜下層、固有筋層、漿膜層の4層構造をなし、粘膜層のみの障害を『びらん』といい、粘膜下層より深い障害を『潰瘍』といいます。潰瘍が深いほど重症なのは言うまでもありません。


     

    いかがでしょうか?
    初めてご覧になる方もいらっしゃると思いますので、それぞれについて少し解説を入れていきますね。胃潰瘍はその深さによって4段階に分類されます(かつての 消化器の名医・村上忠重氏により4段階に分けられ、現在は村上分類とも呼ばれます)。「UL」は「ulcer」つまり「潰瘍」を意味します。

    UL-1:粘膜のみの組織欠損で「びらん」と呼ばれます。
    潰瘍は粘膜下層より深い組織欠損をいいますので、この所見が見られた場合は「びらん性胃炎」と診断される場合があります。ただし、胃粘膜が傷つき損傷していることに変わりは無く、放置すると潰瘍へ進行する危険があります。
    UL-2:筋板粘膜を超えて、粘膜下層に達する組織の欠損をいいます。
    胃痛、心窩部痛、吐き気などの症状が強くでる場合があります。
    UL-3:組織欠損が(固有)筋層にまで達するものをいいます。
    2と3は筋肉が傷付いて出血を伴いますので、上記の症状に加え、胃の激しい痛みのほか、吐血やタール便(コールタール様の黒い便です)を伴う場合があります。
    UL-4:組織欠損が(固有)筋層を超え、漿膜層(しょうまくそう)に達しているものをいいます。
    図の通り、胃の壁を貫く寸前・貫通する場合もあり(これを穿孔といいます)、腹膜炎を併発して大変危険な状態で、輸血や緊急手術の適応になる場合がほとんどです。ここまでの深い潰瘍では大量の吐血や下血のために出血性ショックに至る危険も相当高いです。


    胃は身体の中で最もデリケートな臓器と言われています。
    とても繊細なので、ひとたび傷付いてしまうと、なかなか立ち直って元気を取り戻すまでに時間がかかります。毎日の食事やお酒・煙草などの嗜好品、十分な睡眠 など生活習慣を改善するだけでも胃の負担は軽減できることはあります。しかし、潰瘍ができていることに気づかず過ごしていると、ある日突然信じられない胃 の痛みがやってきます。ご自身のためにも、まずは胃内視鏡検査を受けてみませんか?経鼻内視鏡検査の利点は「胃はどんな様子か?」をダイレクトに目でみて 分かるという点で、楽に検査を受けられます。

    胃の肉腫とは?

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      悪性腫瘍は、日本人の死亡原因の病気として半分以上を占めています。そして悪性腫瘍のうち胃にできるものと言えば、多くの方が真っ先に思い浮かぶのは胃癌でしょう。
      ここで、「あれっ?癌ではなくて悪性のものってあるの?」と思われた方、いらっしゃるでしょう。そうです、あるんです。それが今回のテーマである「肉腫」なのです。詳しく書くと、胃の悪性腫瘍のうち、胃粘膜(つまり胃の表面)から発生したものを「胃がん」といい、胃粘膜以外(つまり胃の表面より下)から発生したもの「肉腫」と呼ぶのです。
      胃肉腫は胃の悪性腫瘍のうちたったの5%以下であり、比較的珍しい病気と言えます。
      悪性腫瘍の性質、つまり限度なく広がっていく性質は胃がんと同じです(専門的には「浸潤性や転移性を持つ」と表現します)。胃肉腫をさらに分類すると、頻度が高いのは「悪性リンパ腫」と「平滑筋肉腫」が挙げられます(他については頻度が少ないため今回は割愛します)。



      ●胃の悪性リンパ腫とは
      一般的に悪性リンパ腫とはリンパ組織が癌化してしまったものをいい、リンパ節に腫瘍がコブ状に大きくできてしまって体表の皮膚からシコリとして触れられるよ うになって病院を受診することが多いようです。ところが、今回紹介する胃の悪性リンパ腫は、普通のリンパ節ではなく、胃に含まれるわずかなリンパ管内から 発生した悪性リンパ腫のことをいいます。症状としては、腹痛・胃痛・胃もたれ・胃の不快感などといった、他の胃の病気と似た症状を契機に内視鏡検査を受け て見つかることが多いのですが、無症状で会社の検診(バリウム検査)を受けて見つかこともあります。
      腫瘍細胞は粘膜下を主体に増殖します。内視鏡で肉眼的に見ると潰瘍のように掘れた状態に見え、胃の表層まで巻き込んだ場合では出血やびらんがみられます。


      教科書的には褪色調粘膜、早期胃癌類似様、敷石様粘膜、粘膜下腫瘍様隆起、皺襞肥厚などと表現される所見を呈する。


      (ここからの一段落はちょっと難しい話〜skipしてもOKです)
      ちょっと専門的な話ですが、治療法にも関係する重要な話。
      この悪性リンパ腫の治療法や予後は組織型(顕微鏡像で分類)と病期(以下のように分類)で決まります。リンパ腫は組織学的に分類すると「ホジキン型」と「非ホジキン型」に分かれますが、胃の場合には「非ホジキン型」がほとんどです。そのうちの大部分を占める のが、 MALTリンパ腫」(mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma,MALToma)と◆屬咾泙鸚大細胞型」 (DLBCL:diffuse large cell type)です。
      MALTリンパ腫は胃の悪性リンパ腫の約40%を占め、男女比はほぼ同じであり、発症年齢は平均60歳です。発生病因として、多くはピロリ菌 (Helicobacter pylori)感染によるリンパ濾胞性胃炎が背景病変と考えられています。そしてH.pylori除菌治療により胃MALTリンパ腫の多くは退縮します。
      DLBCL は胃悪性リンパ腫の45-50%を占め、発症年齢は60歳前後です。発生病因としては、単一な原因ではありません。純粋に高悪性度のDLBCLのみからな る症例もある一方で、病変内に低悪性度とされるMALTリンパ腫の成分を有する症例もあるからです。つまり、DCBCL単独発生説やMALTリンパ腫から 連続して引き起こされるものという学説があるのです。各々に対する病期分類や治療法は別の機会に(昔は手術療法中心でしたが、現在は内科的治療中心になっ てきました)・・・・

      胃の悪性リンパ腫の予後は胃癌と比較すると良好のことが多いです。
      本来の悪性リンパ腫は血液の病気であり血液内科が担当する機会が多いのですが、胃のリンパ腫の場合は、消化器科と血液内科が併診し診察を進めていくことが多いです。



      ●胃の平滑筋肉腫とは
      一 般的に「平滑筋」は血管や膀胱、子宮など、管状または袋状の器官では胃壁などの「壁」にみられます。この平滑筋の働きにより、消化管(胃・小腸・大腸など)では食べ物を運んでいくのです。この平滑筋から発生する腫瘍のうち、悪性のものを「平滑筋肉腫」といいます。症状は基本的に無症状で、胃がん検診や会 社の健康診断のための内視鏡検査などで偶然的に発見されることが圧倒的に多いです。但し、胃肉腫が大きくなった場合は胃痛や胃の不快感・吐き気・腹部膨満感など、「胃の調子が悪い」と言う時の症状になります。更に胃肉腫が大きくなると、出血して吐血や下血を起こすほどになってようやく発見されることもあり ます。一般的に粘膜の下から発育する腫瘍は良性であることが多く、内視鏡で見ると粘膜を押し上げて隆起するように存在し、表面は正常粘膜組織と一緒でツルツルしています。しかし、この「平滑筋肉腫」は、腫瘍の直径5cm以上もの大きさに育ってしまったり、表面中心部に潰瘍ができたりします


      腫瘍の頂部の潰瘍所見は悪性を示すの所見として重要で、良性の平滑筋腫との鑑別に有用。


      胃 平滑筋肉腫の原因は複雑な遺伝子の異常が発生に関係していると考えられていますが、未だに研究途上です。治療としては胃局所切除術(partial gastrectomy)です。胃平滑筋肉腫は周囲のリンパ節への転移をきたしにくいため、胃を一部切除するのみで治療を終了できます(胃がんの場合に胃 を全部あるいは2/3程度切除することになるのとは対照的です)。手術で腫瘍を切除しその細胞や組織を調べて初めて診断がつくことも決して珍しいことでは ありません。


      最後に・・・
      胃がんとは呼ばれていないけれど、悪性腫瘍であり、でも予後は比較的良好・・・・なんだか頭が 混乱しそうですよね。私たちは少しでも効果的な治療ができるように、早期発見早期治療を目標に頑張っています。そのためには、症状の有無に関係なく定期的 に検査(胃内視鏡検査)を受けていただくことがなにより重要です。
      皆さん、人生は1度きりです!明日の自分のためにお身体のメンテナンスはきっちり行いましょう!

      潰瘍性大腸炎と妊娠についてのQ&A

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        診察でよく聞かれるこの「妊娠と潰瘍性大腸炎」に関する質問。
        医学的な結論が既に出ているにも関わらず、患者さんが自分の判断で薬を中止してしまうケースもあり、問題視されています。そこで、今回は潰瘍性大腸炎と妊娠に関する情報を提供します。


        Q1 病気がどのような状態のにときに妊娠するのがよいですか?
        A1  寛解期(腸の炎症が治まっている状態)です。


        潰瘍性大腸炎の患者さんが妊娠する場合、”袖い砲茲訐屬舛磴鵑悗留洞繊↓妊娠による病気への影響の2点を考える必要があります。
         ”袖い砲茲訐屬舛磴鵑悗留洞
        活動期(腸に炎症が続いている状態)の妊娠では、不妊、流産や早産の危険性がやや高くなるとの報告があります。
        ◆’タ韻砲茲詆袖い悗留洞
        寛解期(腸の炎症が治まっている状態)の妊娠では、潰瘍性大腸炎の病状に影響を及ぼすことはないといわれています。一方、活動期での妊娠は、約3分の2で病状が活動期のまま維持、または悪化するとの報告があります。
        これらの理由から、寛解期に妊娠するのが望ましく、特に6ヶ月以上十分に寛解を維持した状態での妊娠が安全で勧められます。


        Q2 潰瘍性大腸炎は遺伝しますか?
        A2 ほとんど遺伝しません。


        潰瘍性大腸炎は、必ず子供に遺伝するというような遺伝性の疾患ではありません。
        潰瘍性大腸炎とクローン病を含む「炎症性腸疾患」というくくりでみると、炎症性腸疾患患者さんの身内に同病の人がいる各率は1〜数%と報告されています。これは、そうでない人と比べれば数倍高いことになりますが、それが遺伝の影響なのか、生活環境による影響なのかは、はっきりしていません。
        いずれにしても、潰瘍性大腸炎の患者さんのお子さんが同じ病気になる確率は、糖尿病や高血圧など他の疾患に比べると、低い確率といえます。


        Q3 妊娠にあたってどのような準備が必要ですか?
        A3 産婦人科と消化器科の先生に潰瘍性大腸炎であることと妊娠についてお伝えしておきましょう。


        妊娠すると、産婦人科と消化器科のどちらかの診療科にもかかることになります。
        消化器科では、妊娠を希望していることを伝え、なるべく寛解期に妊娠できるよう、病気をコントロールすることが大切です。さらに、病状が悪化する場合に備え、妊娠中も潰瘍性大腸炎の診察は定期的に受ける必要があります。産婦人科では、自分が潰瘍性大腸炎であることをきちんと説明し、母体と胎児の健康状態を 注意深く観察してもらいましょう。
        また、どちらの診察科にもどこの病院にかかっているかを伝えておきましょう。消化器科と産婦人科の両方の主治医が連絡を取り合える状態にしておくと、何かあったとき、速やかに対応できます。

        Q4 妊娠中も 薬をのんだ方がよいですか?
        A4 基本的に飲んで下さい。


        潰瘍性大腸炎に用いられる薬の多くは胎児に影響が少ないことが知られています。したがって、基本的には妊娠前と同様に服用することが勧められます。母体の健康状態を保つことが、胎児の発育、安全にもつながります。メサラジン、サラゾスルファピリジン、プレドニゾロンは、妊娠中に継続して服用しても影響が少ないことが知られています。サラゾスルファピリジンについては、一緒に1日2mgほどの葉酸を摂取することが望ましいとされています。
        アザチオプリンなどの免疫調節薬は、胎児に影響を及ぼす可能性が指摘されていましたが、実際に影響があったとする報告は少なく、医師の間でも見解がわかれています。
        治療薬については、安心して服用が継続できるよう、医師の指示を仰いで下さい。


        Q5 妊娠中に再燃したら どのような治療をしますか?
        A5 一般的な活動期の治療に準じて行います。


        再 然は妊娠に悪影響が及ぶ可能性があることから、胎児への影響が少ない薬、治療法を選びながら、一般的な活動期の治療に準じて治療法を選択します。軽症にはメサラジンやサラゾスルファピリジン、中等症から重症にはプレドニゾロンを用いるほか、潰瘍などの炎症が肛門に近い場合は坐剤や注腸を使うこともあります。また、血球成分除去療法や生物学的製剤なども、安全に治療が行えたと報告されています。


        Q6 出産にあたって注意することはありますか?
        A6 ストレスや疲れの軽減に努めましょう。


        出産前後は、再燃・悪化することがあります。そのためにも消化器医と産科医が連携できるように準備しておく必要があります。出産後は、睡眠不足や育児ストレ スがきっかけとなり再燃してしまうことがあります。できるだけ疲れをためないように睡眠時間を確保し、子育て以外の家事などは周囲の人に協力を仰げる体制 を整えておきましょう。
        また、再然時に備え、周囲に協力を求められるような環境を整えておくことも大切です。ご主人やご両親など、身近な人には病気のことをきちんと理解してもらいましょう。
        いずれにしても、出産後、赤ちゃんを育てるのはお母さん自身ですから、まずは自身の体調管理に気を配り、再燃予防に努めましょう。


        Q7 授乳中も薬をのんだ方よいですか?
        A7 基本的に服用しましょう。


        母乳は、赤ちゃんに必要な栄養が含まれており、母乳で育てることは感染予防や発育面にもよい影響を与えます。お母さんがのんだ薬は、体内に吸収され、ごくわずかに母乳に移行しますが、その薬が赤ちゃんに影響を及ぼすものかどうか種類によって異なります。メサラジンやサラゾスルファピリジンは母乳への移行が少なく、安全な薬と考えられています。
        一部、母乳にはふさわしくない薬も有りますが、薬をのまないことで再燃をしてしまうと育児もできなくなってしまいますので、薬は継続して服用し、授乳してもよいかどうかは、医師に相談しましょう。


        Q8 潰瘍性大腸炎の男性が注意するべきことはありますか?
        A8 治療薬による男性不妊が報告されています。


        潰瘍性大腸炎の男性は、潰瘍性大腸炎それ自体が原因で不妊になることはありません。
        ところが、一部の治療薬(サラゾスルファピリジン)では、精子の数や運動能を低下させるという報告があり、男性不妊の原因となりえます。しかし、この影響は一部的で、薬の内服を中止すれば、2ヶ月程度で元に戻ります。
        赤ちゃんを希望している男性患者さんは、医師に相談し、薬の種類について検討してもらいましょう。




        いかがでしょうか・・・
        お悩みへの回答はありましたでしょうか。

        一般的に、潰瘍性大腸炎は症状がある時(活動期)と症状の無いとき(寛解期)を繰り返す疾患です。寛解期を長く過ごすため、また症状の重い活動期にならないために、自分の体調の異変を感じたら早めに受診し、症状が軽い状態から適切な治療を受けることが大切です。日頃から自分自身の症状をしっかりと理解し、 症状が出たら早めに主治医の先生に相談しましょう。


        胃がん検診のABC分類

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          皆さんは会社の健康診断で、胃の判定部分にある「A」「B」「C」と分類された表を見かけたことはありませんか?
          この「胃がん検診のABC分類」は2つの検査法の結果によって胃がんになりやすい人を選ぶための方法で、市町村の胃がんリスク検診として用いられることがあります。その2つの検査法とは「ペプシノゲン検査」と「ヘリコバクター・ピロリ抗体検査」です。
          まずはこの「ペプシノゲン検査」と「ヘリコバクター・ピロリ抗体検査」について詳しくご説明させていただきますね。

          ●ペプシノゲン検査
          ペプシノゲンは食べ物の消化に関与する「ペプシノゲン」という物質の血中濃度を調べることで胃粘膜の萎縮=胃粘膜の老化の状態を調べる検査です。胃がんの多くは萎縮した胃粘膜から発生することが知られていますので、「ペプシノゲン陽性≒胃がんになりやすい」と言えるのです。(詳しくは当ブログ内の記事「ペプシノゲン法について」をご参照ください)

          ●ヘリコバクター・ピロリ抗体検査
          (1)まずは「ピロリ菌とは何なの?」というところからご説明したいと思います。
          ピロリ菌は1983年にオーストラリアで発見された長さ2.5〜3.5μm、幅0.5〜1.0μmの細菌で、胃に住み着いて胃がんを引き起こす原因物質とされています。らせん状に湾曲した形で、「鞭毛」と呼ばれるひげのような長いしっぽにもみえるものを数本持ち、これを回転させることで活発に動くことができます。従来は、胃の中は胃液に含まれる塩酸によって強酸性(なんとPH1〜2)であるため、細菌は生息できないと考えられていました。ところがヘリコバクター・ピロリ菌は自分の周囲に「ウレアーゼ」と呼ばれる酵素を産生して胃粘液中の尿素からアンモニアを産生して胃酸を中和(PH7程度)しているので胃の中でずっと生息(これをピロリ菌の感染といいます)できるのです・・・・なんだか、とてもクレバーな奴ですね。ピロリ菌の感染によって、萎縮性胃炎をはじめとする慢性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんになりやすくなることが分っています。         
          (2)次に「ヘリコバクター・ピロリ抗体検査」についてご説明させていただきます。
          胃の粘膜がピロリ菌に感染すると、ピロリ菌に対する特異的な抗体ができ血液中に産生されます。その抗体を血液検査や尿検査で測定して高値であれば、「ピロリ菌と接触したことがある」と考えられます。この「ヘリコバクター・ピロリ抗体検査」はヘリコバクター・ピロリの感染の既往(≒胃がんになりやすい)を検索するスクリーニング検査として広く用いられています。


          そしてようやく本題、「胃がん検診のABC分類」でしたね。
          上記に書いた、胃の萎縮度を測る「ペプシノゲン検査」と、ピロリ菌への反応(抗体)を調べる「ヘリコバクター・ピロリ抗体検査」を組み合わせることで「胃癌になりやすさ」をABCの3群に分類して判定するのです。

          *ペプシノゲン検査とヘリコバクター・ピロリ抗体検査を組み合わせると以下のようになります。

          ABC分類

          ヘリコバクター・ピロリ抗体検査

          (−)

          (+)

          ペプシノゲン検査

          (−)

          (+)



          いかがでしょうか?見覚えのある表ではありませんか?
          各群の解釈については以下のようにされています。

          《A群》
          胃がん発生の可能性のリスクが低い、比較的健康な胃粘膜です。胃の病気になる可能性は低いですが、他の胃の病気にかかる可能性もありますので年に1度は胃がん検診一次検診(バリウム検査など)を受診しましょう。
          《B群》
          ピロリ菌に感染している可能性が高く、消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)などの病気にかかる可能性があります。胃がんの可能性もあるので2〜3年に1回は内視鏡検査を、毎年胃がん検診一次検診(バリウム検査など)を受診しましょう。
          《C群》
          胃粘膜に萎縮がみられ、胃がん発生のリスクが高い状態です。また他の胃の疾患も引き起こしやすいやすい状態といえますので1年に1回は内視鏡検査を受けて病気の早期発見に努めましょう。

          こ のABC分類では、この判定結果がB・C群の方はハイリスク群に当てはまりますので胃内視鏡検査を二次検査として受診していただく案内通知が届く場合があります。このABC分類を用いて、胃がんになりやすい人たちに対して、より効率的に胃内視鏡検査を組むことができるということです。


          いかがでしょうか・・・
          本章はこれにて終了しますが、実はABC分類の盲点・欠点もあります。
          それは、A群であっても胃がんになることがあるというものです・・・これについては次回以降に。


          胃下垂とは

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            ご家族やご友人と食事に出かけた際に「一体この人はどのくらい食べたの!?」というくらいお腹が出ている人を見かけた、もしくは自分自身がそういった状態になっている、ということはありませんか??
            おそらくこういった状態の方々の多くは胃腸の調子が悪いこともなく「気がつけば昔からそうだったなぁ」という方々が大半でしょう。もしかしたらそれは“胃下垂”かもしれません。これまで一度は“胃下垂”という言葉は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
            胃下垂になると胃全体が正常な位置より下になり、ヘソの辺りまで胃が落ち込みます。位置の基準としてはヤコビー線と呼ばれる骨盤の後上部の骨(腸骨)の右と左をつないだ線上にあります。また胃の曲がり角にあたる胃角部がヤコビー線よりも下がった状態を胃下垂と呼んでいます。

             

            確実な診断は病院においてのレントゲン検査やバリウム検査で胃の形を見て医師が診断します。


            ● 胃下垂になる原因・・・腹壁の緊張の度合いによって起こった変化や胃を支えてくれる筋力や脂肪のないやせ型の体質の方が胃下垂になるといわれています。また、昔太っていたが“ある原因で急に痩せてしまった“、“長期の急激な発育した“なども胃下垂になりやすい原因といわれていますが、どの説も決定的というほどの証拠はありません。
            (ここで「原因」と書きましたが、因果関係の証明は難しく、因果関係が逆かもしれないくらいなのです。今回の話も、「胃下垂になると痩せられる!胃下垂になる方法をさがそう」というと、それは間違った考えです!「胃下垂だから痩せられる」のではなく「痩せているから胃下垂 になる」のかもしれないのです。一般的な傾向として、胴体が細長いと内臓もそれに合うような(体におさまるような)形になります。そのため、胃も細長く垂れ下がった形になっているものなのです。決して間違った考え方はしないようにしてくださいね。また、今回の胃下垂の原因のお話は骨格という特徴に関する話で、決して胃下垂は病気ではありませんので、一日も早く病院へ!などというわけではありません。)


            一般的に、胃下垂の方は食べ物の消化に時間がかかり食べ物の停滞時間が長くなることで消化不良になってしまうことが多いようです。消化不良になると栄養を十分に吸収されず肌荒れや便秘などさまざまは 弊害が起こり消化できないものを必死で消化しようとする為、胃酸の分泌が多くなり胃酸過多の状態になります。これは、胃炎や胃潰瘍などを起こす危険がとても高い状態で、暴飲暴食や過労、ストレスなどが引き金となり、胃痛や食後のむかつき、胃もたれ、吐き気やゲップ、胸焼け、便秘など症状を誘発します。つまり、胃下垂の方は特に適度な運動・バランスのとれた食事・精神的なリラックスができる機会を作るなど日常生活で気をつけることがカギとなります。胃はとてもデリケートな臓器といわれていますので毎日の生活の中でも労わってあげましょうね。


            逆流性食道炎の症状いろいろ

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              最近テレビCMでも知られるようになってきました「逆流性食道炎」についてです。
              食道炎という名前からは症状が思い浮かびにくく、実際に診断を受けられるまで長い年月がかかる方も多いようです。そこで今回は「逆流性食道炎」の多岐にわたる症状について、ご説明をしていきたいと思います。

              ●そもそも「逆流性食道炎」とは
              本来、食道と胃のつなぎ目の部分には下部食道括約筋とよばれる筋肉があります。胃で食べ物が消化される時、下部食道括約筋は収縮して胃の内容物が食道に逆流してこないようする役割があります。
              ところが何らかの原因によって下部食道括約筋が緩んで役割を果たせなくなると、胃液の逆流によって食道の粘膜は炎症を起こしてしまいます。胃液の逆流により生じる食道炎なので「逆流性食道炎」と呼ぶわけです。
              食道の粘膜は胃酸に対して非常に弱いため、胃液の逆流の習慣を放っておくと食道粘膜の炎症は進行していきます。その原因は、加齢による下部食道括約筋の機能 低下のみならず、暴飲暴食・飲酒・喫煙・肥満や便秘・妊娠などによる腹圧の上昇・胃の働きの弱まり・胃液の分泌増加などが挙げられます。


              典型的な逆流性食道炎
              胃と食道のつなぎ目付近を食道側から見下ろすように見た内視鏡写真


              ●では本題。逆流性食道炎になるとどんな症状がみられるのでしょうか?
              まず、一番多くみられるのが「胸焼け」・「ゲップ」です。胃液や胃の内容物が食道まで逆流すると胸の辺りに焼けるような不快感(胸焼け)が起こり、胃液のみならず胃内の空気まで逆流する(ゲップ)ことも多いのです。
              次にみぞおちや胃が痛いと感じる患者さんもいらっしゃいます。また「呑酸(どんさん)」といって酸っぱい液体が口まで上がってくる症状が現れることや、酷いときは胃液そのものを嘔吐してしまうこともあります。
              他には、狭心症のようにしめつけられるような「胸の痛み」や「背中や肩の痛み」・風邪を引いていないのに「咳」・「痰のからみ」が起こることがあります。これは逆流した胃液が喉や気管支を刺激したり食道の粘膜を通して神経を刺激するために起こると考えられています。
              さらに、逆流した胃液がのどや声帯にまで達すると「のどの違和感・飲み込みにくい」・「声がかれる」(これを嗄声/させいといいます)」などという症状も起こります。


              ・・・いかがでしょうか。
              風邪かなぁ?心臓を患ったのかな?と思ってしまう症状も多いのですが、実は食道が悲鳴を上げているサインなのです。(もっとも、その反対の場合もありますが)
              現代の日本は美食飽食気味のせいなのか、夜遅くまで仕事を頑張る方が増えてきているせいなのか、こういった症状の方々を年代を問わず多くお見受けします。お仕事やご家族・友人との過ごす時間はとても大事ですよね。しかし自分自身が健康でなければどれも叶いません。ご自身の身体のメンテナンスはとても大切ですので、もしかしたら・・・と思われたら早期の経鼻内視鏡検査をお勧めいたします。

              (参照)逆流性食道炎とは


              ノロウィルス胃腸炎

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                ノロウィルス胃腸炎・・・冬になると必ずこの言葉を耳にしますよね。
                今年も多くの方々がこのウィルスにかかり苦しまれたのではないかと思います。今回はノロウィルス胃腸炎によって起こる症状や感染経路、治療法やその予防法などについてお話したいと思います。


                ノロウィルスの電子顕微鏡写真(Wikipediaより)


                *症状・・・嘔吐、下痢、発熱が主な症状として現れます。

                個人差はありますが、概ね以下のような症状経過をたどります。突発的な激しい吐き気や嘔吐・下痢・腹痛・悪寒・38℃程度の発熱をきたすのですが、その数時間前から胃に膨満感やもたれを感じる場合もあります。これらの症状は通常2−3日で治癒し、後遺症が残ることもありません。
                まれに、感染しても菌体量が少ない場合は発症しないまま終わる場合や風邪と同様の症状のみが表れる場合もあります(この場合、ノロウィルスに罹患したことに気づかれません)。 その一方で、免疫力が低下した老人や乳幼児は重症化して長引くことがあり、これまでに死亡した例も報告されています。
                一般には「胃腸かぜ」「嘔吐・下痢・腹痛を伴う風邪」という表現がありますが、それらが実は単なる風邪ではなく、ノロウィルス胃腸炎であることも多いのです。これらの人でもノロウィルスによる感染は成立しており糞便中にはウィルス粒子が排出されているため、周囲にいる人は注意が必要です。


                *感染経路・・・ノロウィルスの感染源は経口感染が主な原因です。
                感染経路は大きく分けて以下のようになります。
                ^食物からの感染(食中毒)
                食中毒→ウィルスが含まれた食材や食品を摂食して感染。
                水系感染→ウィルスで汚染された水道水、井戸水を飲んで感染。

                ▲劵箸らヒトへの感染
                ノロウィルス感染者の糞便や嘔吐物に含まれるウィルスが手指に付着したり、飛散した飛沫を介したりして最終的には経口感染。
                感染者が充分に手を洗わず調理した食事を食べて感染(これはむしろ,もしれません)。


                *治療法・・・対症内服療法と脱水予防の点滴です。

                2012年現在、ノロウィルスに直接効く抗ウィルス剤は存在しません。
                治療としては、なんと言っても「胃腸の安静」(つまりは絶食のことです)が最重要です。ノロウィルス胃腸炎になったとき、完全に24時間絶食を貫くことがで きれば、たちどころに治癒に向かうでしょう。この場合、幾分か脱水気味になりますので、下記の点滴を併用するのがよいでしょう。
                この他、胃薬・制吐剤(吐き気止め)・整腸剤などの内服薬があります。止痢薬(下痢止め)の使用については現時点では賛否両論です。止痢薬はウィルスを体内に留めさせるこ とになるので用いるべきではないという意見が日本の厚生労働省などで存在する一方で、下痢による脱水症状は全身状態を衰弱させるので止痢薬を用いるべきで あるとする意見も米国FDAなどで世界中に支持されています。
                重症例で下痢が酷くて脱水傾向の場合には、病院で行う点滴(輸液)が有効です。上記に書いた「胃腸の安静(=絶食)」と脱水予防を同時に行えるからです。家庭では点滴はできませんから、スポーツドリンクなど電解質を含む液体を人肌に温めてから飲むことが推奨されます。


                *予防法・・・感染の連鎖を瀬戸際で食い止めましょう。

                ここまで説明したことを総合すると、特に飲食物を扱う人間が充分に注意を払うことが感染予防に繋がります。まずは調理者が充分に手洗いをすること、そして調 理器具を衛生的に保つことが重要になります。ノロウィルスは85度以上1分間以上の加熱によって感染性を失うので、食品は中心部まで完全に加熱させることが重要です。
                また、上に書いたように感染経路は最終的には「経口感染」ですから、「うつされる側」が瀬戸際で気を付けることが最終的には最も有効 です。つまり、食事前の綿密な手洗いやうがい→手洗いの後は周囲のものに触れない(厳密には、蛇口やドアノブにも触れずに食事へ向かいます;コツは・・・ 工夫してください)。もちろん、手洗い後のタオルは家族で別々のものにします。


                当院にもこのノロウィルス胃腸炎で来院される患者さんが多くいらっしゃいますが、どのお方も本当に辛そうな表情をされて来られるので私どもも一日でも早く完治して欲しいという一心で診療を行っています。点滴などで早期に楽になることができますので、早めにご受診くださいね。

                * ちなみに「ノロウイルス」、「ロタウイルス」、「サポウイルス」、「アデノウイルス」などが胃腸炎の原因になるウィルスです。どのウィルスかによって治療に違いはありませんので、ウィルスを同定する検査までは臨床上は必要ありません。また、ウィルス性胃腸炎になってしまった場合、感染した経路を知りたくなるものですが、集団発生でもしていないかぎり感染経路はつかめないことがほとんどです。


                胃潰瘍と十二指腸潰瘍の違い

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                  皆さんは「胃潰瘍」と「十二指腸潰瘍」の違いをご存じですか?

                  どちらも一度は耳にしたことはあるが、場所以外の違いについては詳しくは知らない・・・という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
                  そこで今日はこの両者の違いについてご説明したいと思います。


                  まず、基本的に胃潰瘍と十二指腸潰瘍は似ています。
                  どちらにも共通している「潰瘍」の意味についてですが「潰瘍」とは胃や十二指腸の壁に傷が付き粘膜の下までえぐられた状態のことをいいます。できる場所によ り「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」と名称を区別されてはいますが、病態や治療が似ているため、この二つをひっくるめて「消化性潰瘍」と呼ぶこともあります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の症状としては、心窩部痛・みぞおち痛・上腹部痛(鈍痛)・悪心・嘔吐、胸焼けなどです。原因としては、ピロリ菌の感染・頭痛薬などの 非ステロイド性抗炎症薬の服用・ストレスで胃の粘膜の防御機能が弱くなるなどが挙げられます。治療としては、胃酸分泌抑制薬や胃粘膜保護薬などがあります。 胃酸分泌抑制薬は、胃を刺激する胃酸の分泌を強力に抑える薬剤で、H2受容体拮抗薬やプロトンポンプインヒビター(PPI)などがあります。

                  ・・・つまり、症状・治療薬ともほぼ同じなのです。

                  では、本題。
                  胃潰瘍と十二指腸潰瘍の違いは。

                  ○まず胃潰瘍の特徴からお話していきましょう。
                  胃潰瘍の好発部位は胃角部小弯側(いかくぶしょうわんそく)といって、バリウム検査の写真で胃を撮影した時に一ヶ所へこんで曲がり角のように見える場所(胃の真ん中付近)をいいます。
                  痛みは食後の割と早いうちにでることが多いです。年齢層は40〜60歳代です。


                  胃角部小弯側にできた胃潰瘍


                  ○次に十二指腸潰瘍です。
                  十二指腸潰瘍の好発部位は十二指腸球部前壁といって胃の幽門部(胃の出口)のすぐ後ろにある十二指腸で、バリウム検査の写真でボールのように丸くみえるところです。
                  痛みは空腹時や夜間などに多く、食事によって痛みが和らぎます。年齢層は20〜40歳代です。



                  いかがでしょうか。
                  臨床的には(つまり普段の診察の時は)、医師は患者が若年なら十二指腸潰瘍を疑い、患者が中年以降なら胃潰瘍の可能性にウェイトをシフトさせるといった感覚です。
                  (そして、胃内視鏡検査を必ず行い、悪性を除外しておくことがなによりも重要となります。)
                  (参照)要注意! 胃潰瘍と似ている胃がん


                  胃潰瘍でも十二指腸潰瘍でも、放置するとどんどん潰瘍は深くなり、胃や十二指腸に穴が空いてしまう「穿孔」という状態が起こります。こうなると、激しい腹 痛が起こり”腹膜炎”というひどい状態になります。胃液や腸液が消化管の外に漏れ出て重篤な炎症を起こし、緊急手術が必要となるのです。
                  何だか聞いただけで恐ろしい気持ちになりますよね。
                  こうならない為にも、最近胃が痛くなることが多いなという方は早めの内視鏡検査を受けてくださいね。


                  慢性胃炎について

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                    慢性胃炎とはどんな病気かご存知でしょうか?

                    慢性胃炎とは胃の粘膜が何らかの原因で傷付き、炎症を起こしている状態が持続的に繰り返され る病態のことをいいます。以前は慢性胃炎とは長年に渡る刺激によって胃粘液に生じた変化で、その大部分は病気ではなく年を取ることによって変化してきたも のだとされてきました。しかし近年ではピロリ菌によるものが大半であるという考えが主流になってきています。
                    吐き気・嘔吐・腹部膨満感・みぞおちの痛み・胸焼けなどの症状が現れ、連続的に繰り返される場合に慢性胃炎と診断されます。(胃炎になっても無症状という人も多くいます)


                    では、どのような機序で慢性胃炎になってしまうのでしょうか?
                    まず、ピロリ菌感染が原因で胃の粘膜の萎縮が生じて慢性胃炎になるケースがあります。
                    (参照)ピロリ菌とは


                    ピロリ菌感染で高度の萎縮が生じた胃粘膜



                    次に、環境要因で慢性胃炎になるケースがあります。
                    胃 というのは食べ物を消化するために胃酸によって絶えず刺激を受けています。精神的ストレス・アルコールの飲みすぎ・暴飲暴食などで胃酸の分泌が過多になっ てしまい、胃壁を守っている粘膜が胃酸によって消化されて炎症をきたし、「びらん」というただれた状態を作ってしまいます(慢性胃炎)。軽度のびらんの場 合は原因となったストレス等がなくなると時間とともに経過が良くなっていきますが、重度の胃炎の場合は胃壁が萎縮してしまい症状が慢性化してしまいます。


                    慢性胃炎の治療法としては、無症状の場合は特に投薬は行わずに経過観察のみとなりますが、症状がある場合は食事療法または薬物療法が必要となります。
                    不規則な生活やストレスの原因となるものを排除し、心身をリラックスさせることも胃の健康のためには大切なことですので日々の生活の中で心がけていきましょう。
                    (参照)急性胃炎・慢性胃炎とは


                    大腸内視鏡検査に用いられるファイバーの紹介

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                      実は、大腸検査に用いられる内視鏡ファイバーには多くの種類があるということをご存じですか!?

                      一般的に、大腸内視鏡ファイ バーは全長約1m20〜50cmで、口径(太さ)は大体は1cm前後です。肛門から入り、直腸(肛門のすぐ奥の腸)から回盲弁(小腸と大腸のつなぎめの部 分)までの大腸全域、小腸の一部までを観察・診断することができます。腫瘍の一部から組織を採取する「生検」や、ポリープ切除などの処置をすることが可能 です。
                      ・・・と、ここまではどんなファイバーでも概ね共通ですね。

                      ところが、細かい部分になりますが、大腸内視鏡ファイバーの種類によって口径(太さ)、硬度、硬度可変機能の有無、特殊光観察能力の有無、拡大観察能力の有無・・・・様々な点で性能が微妙に異なるのです。

                      今回は、その中で当院が使用している内視鏡のうち、代表的なものをご紹介したいと思います。
                      (当院で使用する内視鏡ファイバーは2012年初現在、すべてオリンパス社製です)

                      (以下、メーカーHPからの一部抜粋)
                      OLYMPUS CF TYPE Q260AL/I;高解像度CCD採用。観察、挿入、操作性に優れた新スタンダードスコープ
                      高解像度CCDを採用して高画質化を実現した、挿入性に優れた大腸スコープ。
                      従来機種であるCF-240AL/Iと同等の外径ながらQタイプスコープの高画質を実現し、チャンネルも3.2mmを確保しているので、幅広い病変の観察・処置に対応できます。



                      (抜粋終わり)


                      この「OLYMPUS CF TYPE Q260AL/I」、通称「QCF」は大腸用の内視鏡ファイバーでは標準的なタイプです。最新の高解像CCD の採用により解像力が向上した高画質の内視鏡です。挿入に優れた細径タイプで、内視鏡の硬さを切り替えグリップで変えられます(=硬度可変機能)。ファイ バーを軟らかくしたり硬くしたりして(コシを変化させる)、緩急をつけることにより、スムーズに挿入可能です。オリンパスが2006年に発表した新型内視 鏡システム;EVIS LUCERA SPECTRUMにおいては、このファイバーが最も標準的と言ってよいでしょう。

                      こんなマニアックなことなど、おそらく知らない方のほうが多いのではないのでしょうか(当たり前ですね。検査を受ける患者さんとしても知っておく必要は全くありません・・・)。



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