胃がん検診のABC分類

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    皆さんは会社の健康診断で、胃の判定部分にある「A」「B」「C」と分類された表を見かけたことはありませんか?
    この「胃がん検診のABC分類」は2つの検査法の結果によって胃がんになりやすい人を選ぶための方法で、市町村の胃がんリスク検診として用いられることがあります。その2つの検査法とは「ペプシノゲン検査」と「ヘリコバクター・ピロリ抗体検査」です。
    まずはこの「ペプシノゲン検査」と「ヘリコバクター・ピロリ抗体検査」について詳しくご説明させていただきますね。

    ●ペプシノゲン検査
    ペプシノゲンは食べ物の消化に関与する「ペプシノゲン」という物質の血中濃度を調べることで胃粘膜の萎縮=胃粘膜の老化の状態を調べる検査です。胃がんの多くは萎縮した胃粘膜から発生することが知られていますので、「ペプシノゲン陽性≒胃がんになりやすい」と言えるのです。(詳しくは当ブログ内の記事「ペプシノゲン法について」をご参照ください)

    ●ヘリコバクター・ピロリ抗体検査
    (1)まずは「ピロリ菌とは何なの?」というところからご説明したいと思います。
    ピロリ菌は1983年にオーストラリアで発見された長さ2.5〜3.5μm、幅0.5〜1.0μmの細菌で、胃に住み着いて胃がんを引き起こす原因物質とされています。らせん状に湾曲した形で、「鞭毛」と呼ばれるひげのような長いしっぽにもみえるものを数本持ち、これを回転させることで活発に動くことができます。従来は、胃の中は胃液に含まれる塩酸によって強酸性(なんとPH1〜2)であるため、細菌は生息できないと考えられていました。ところがヘリコバクター・ピロリ菌は自分の周囲に「ウレアーゼ」と呼ばれる酵素を産生して胃粘液中の尿素からアンモニアを産生して胃酸を中和(PH7程度)しているので胃の中でずっと生息(これをピロリ菌の感染といいます)できるのです・・・・なんだか、とてもクレバーな奴ですね。ピロリ菌の感染によって、萎縮性胃炎をはじめとする慢性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんになりやすくなることが分っています。         
    (2)次に「ヘリコバクター・ピロリ抗体検査」についてご説明させていただきます。
    胃の粘膜がピロリ菌に感染すると、ピロリ菌に対する特異的な抗体ができ血液中に産生されます。その抗体を血液検査や尿検査で測定して高値であれば、「ピロリ菌と接触したことがある」と考えられます。この「ヘリコバクター・ピロリ抗体検査」はヘリコバクター・ピロリの感染の既往(≒胃がんになりやすい)を検索するスクリーニング検査として広く用いられています。


    そしてようやく本題、「胃がん検診のABC分類」でしたね。
    上記に書いた、胃の萎縮度を測る「ペプシノゲン検査」と、ピロリ菌への反応(抗体)を調べる「ヘリコバクター・ピロリ抗体検査」を組み合わせることで「胃癌になりやすさ」をABCの3群に分類して判定するのです。

    *ペプシノゲン検査とヘリコバクター・ピロリ抗体検査を組み合わせると以下のようになります。

    ABC分類

    ヘリコバクター・ピロリ抗体検査

    (−)

    (+)

    ペプシノゲン検査

    (−)

    (+)



    いかがでしょうか?見覚えのある表ではありませんか?
    各群の解釈については以下のようにされています。

    《A群》
    胃がん発生の可能性のリスクが低い、比較的健康な胃粘膜です。胃の病気になる可能性は低いですが、他の胃の病気にかかる可能性もありますので年に1度は胃がん検診一次検診(バリウム検査など)を受診しましょう。
    《B群》
    ピロリ菌に感染している可能性が高く、消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)などの病気にかかる可能性があります。胃がんの可能性もあるので2〜3年に1回は内視鏡検査を、毎年胃がん検診一次検診(バリウム検査など)を受診しましょう。
    《C群》
    胃粘膜に萎縮がみられ、胃がん発生のリスクが高い状態です。また他の胃の疾患も引き起こしやすいやすい状態といえますので1年に1回は内視鏡検査を受けて病気の早期発見に努めましょう。

    こ のABC分類では、この判定結果がB・C群の方はハイリスク群に当てはまりますので胃内視鏡検査を二次検査として受診していただく案内通知が届く場合があります。このABC分類を用いて、胃がんになりやすい人たちに対して、より効率的に胃内視鏡検査を組むことができるということです。


    いかがでしょうか・・・
    本章はこれにて終了しますが、実はABC分類の盲点・欠点もあります。
    それは、A群であっても胃がんになることがあるというものです・・・これについては次回以降に。


    胃下垂とは

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      ご家族やご友人と食事に出かけた際に「一体この人はどのくらい食べたの!?」というくらいお腹が出ている人を見かけた、もしくは自分自身がそういった状態になっている、ということはありませんか??
      おそらくこういった状態の方々の多くは胃腸の調子が悪いこともなく「気がつけば昔からそうだったなぁ」という方々が大半でしょう。もしかしたらそれは“胃下垂”かもしれません。これまで一度は“胃下垂”という言葉は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
      胃下垂になると胃全体が正常な位置より下になり、ヘソの辺りまで胃が落ち込みます。位置の基準としてはヤコビー線と呼ばれる骨盤の後上部の骨(腸骨)の右と左をつないだ線上にあります。また胃の曲がり角にあたる胃角部がヤコビー線よりも下がった状態を胃下垂と呼んでいます。

       

      確実な診断は病院においてのレントゲン検査やバリウム検査で胃の形を見て医師が診断します。


      ● 胃下垂になる原因・・・腹壁の緊張の度合いによって起こった変化や胃を支えてくれる筋力や脂肪のないやせ型の体質の方が胃下垂になるといわれています。また、昔太っていたが“ある原因で急に痩せてしまった“、“長期の急激な発育した“なども胃下垂になりやすい原因といわれていますが、どの説も決定的というほどの証拠はありません。
      (ここで「原因」と書きましたが、因果関係の証明は難しく、因果関係が逆かもしれないくらいなのです。今回の話も、「胃下垂になると痩せられる!胃下垂になる方法をさがそう」というと、それは間違った考えです!「胃下垂だから痩せられる」のではなく「痩せているから胃下垂 になる」のかもしれないのです。一般的な傾向として、胴体が細長いと内臓もそれに合うような(体におさまるような)形になります。そのため、胃も細長く垂れ下がった形になっているものなのです。決して間違った考え方はしないようにしてくださいね。また、今回の胃下垂の原因のお話は骨格という特徴に関する話で、決して胃下垂は病気ではありませんので、一日も早く病院へ!などというわけではありません。)


      一般的に、胃下垂の方は食べ物の消化に時間がかかり食べ物の停滞時間が長くなることで消化不良になってしまうことが多いようです。消化不良になると栄養を十分に吸収されず肌荒れや便秘などさまざまは 弊害が起こり消化できないものを必死で消化しようとする為、胃酸の分泌が多くなり胃酸過多の状態になります。これは、胃炎や胃潰瘍などを起こす危険がとても高い状態で、暴飲暴食や過労、ストレスなどが引き金となり、胃痛や食後のむかつき、胃もたれ、吐き気やゲップ、胸焼け、便秘など症状を誘発します。つまり、胃下垂の方は特に適度な運動・バランスのとれた食事・精神的なリラックスができる機会を作るなど日常生活で気をつけることがカギとなります。胃はとてもデリケートな臓器といわれていますので毎日の生活の中でも労わってあげましょうね。


      逆流性食道炎の症状いろいろ

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        最近テレビCMでも知られるようになってきました「逆流性食道炎」についてです。
        食道炎という名前からは症状が思い浮かびにくく、実際に診断を受けられるまで長い年月がかかる方も多いようです。そこで今回は「逆流性食道炎」の多岐にわたる症状について、ご説明をしていきたいと思います。

        ●そもそも「逆流性食道炎」とは
        本来、食道と胃のつなぎ目の部分には下部食道括約筋とよばれる筋肉があります。胃で食べ物が消化される時、下部食道括約筋は収縮して胃の内容物が食道に逆流してこないようする役割があります。
        ところが何らかの原因によって下部食道括約筋が緩んで役割を果たせなくなると、胃液の逆流によって食道の粘膜は炎症を起こしてしまいます。胃液の逆流により生じる食道炎なので「逆流性食道炎」と呼ぶわけです。
        食道の粘膜は胃酸に対して非常に弱いため、胃液の逆流の習慣を放っておくと食道粘膜の炎症は進行していきます。その原因は、加齢による下部食道括約筋の機能 低下のみならず、暴飲暴食・飲酒・喫煙・肥満や便秘・妊娠などによる腹圧の上昇・胃の働きの弱まり・胃液の分泌増加などが挙げられます。


        典型的な逆流性食道炎
        胃と食道のつなぎ目付近を食道側から見下ろすように見た内視鏡写真


        ●では本題。逆流性食道炎になるとどんな症状がみられるのでしょうか?
        まず、一番多くみられるのが「胸焼け」・「ゲップ」です。胃液や胃の内容物が食道まで逆流すると胸の辺りに焼けるような不快感(胸焼け)が起こり、胃液のみならず胃内の空気まで逆流する(ゲップ)ことも多いのです。
        次にみぞおちや胃が痛いと感じる患者さんもいらっしゃいます。また「呑酸(どんさん)」といって酸っぱい液体が口まで上がってくる症状が現れることや、酷いときは胃液そのものを嘔吐してしまうこともあります。
        他には、狭心症のようにしめつけられるような「胸の痛み」や「背中や肩の痛み」・風邪を引いていないのに「咳」・「痰のからみ」が起こることがあります。これは逆流した胃液が喉や気管支を刺激したり食道の粘膜を通して神経を刺激するために起こると考えられています。
        さらに、逆流した胃液がのどや声帯にまで達すると「のどの違和感・飲み込みにくい」・「声がかれる」(これを嗄声/させいといいます)」などという症状も起こります。


        ・・・いかがでしょうか。
        風邪かなぁ?心臓を患ったのかな?と思ってしまう症状も多いのですが、実は食道が悲鳴を上げているサインなのです。(もっとも、その反対の場合もありますが)
        現代の日本は美食飽食気味のせいなのか、夜遅くまで仕事を頑張る方が増えてきているせいなのか、こういった症状の方々を年代を問わず多くお見受けします。お仕事やご家族・友人との過ごす時間はとても大事ですよね。しかし自分自身が健康でなければどれも叶いません。ご自身の身体のメンテナンスはとても大切ですので、もしかしたら・・・と思われたら早期の経鼻内視鏡検査をお勧めいたします。

        (参照)逆流性食道炎とは


        ノロウィルス胃腸炎

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          ノロウィルス胃腸炎・・・冬になると必ずこの言葉を耳にしますよね。
          今年も多くの方々がこのウィルスにかかり苦しまれたのではないかと思います。今回はノロウィルス胃腸炎によって起こる症状や感染経路、治療法やその予防法などについてお話したいと思います。


          ノロウィルスの電子顕微鏡写真(Wikipediaより)


          *症状・・・嘔吐、下痢、発熱が主な症状として現れます。

          個人差はありますが、概ね以下のような症状経過をたどります。突発的な激しい吐き気や嘔吐・下痢・腹痛・悪寒・38℃程度の発熱をきたすのですが、その数時間前から胃に膨満感やもたれを感じる場合もあります。これらの症状は通常2−3日で治癒し、後遺症が残ることもありません。
          まれに、感染しても菌体量が少ない場合は発症しないまま終わる場合や風邪と同様の症状のみが表れる場合もあります(この場合、ノロウィルスに罹患したことに気づかれません)。 その一方で、免疫力が低下した老人や乳幼児は重症化して長引くことがあり、これまでに死亡した例も報告されています。
          一般には「胃腸かぜ」「嘔吐・下痢・腹痛を伴う風邪」という表現がありますが、それらが実は単なる風邪ではなく、ノロウィルス胃腸炎であることも多いのです。これらの人でもノロウィルスによる感染は成立しており糞便中にはウィルス粒子が排出されているため、周囲にいる人は注意が必要です。


          *感染経路・・・ノロウィルスの感染源は経口感染が主な原因です。
          感染経路は大きく分けて以下のようになります。
          ^食物からの感染(食中毒)
          食中毒→ウィルスが含まれた食材や食品を摂食して感染。
          水系感染→ウィルスで汚染された水道水、井戸水を飲んで感染。

          ▲劵箸らヒトへの感染
          ノロウィルス感染者の糞便や嘔吐物に含まれるウィルスが手指に付着したり、飛散した飛沫を介したりして最終的には経口感染。
          感染者が充分に手を洗わず調理した食事を食べて感染(これはむしろ,もしれません)。


          *治療法・・・対症内服療法と脱水予防の点滴です。

          2012年現在、ノロウィルスに直接効く抗ウィルス剤は存在しません。
          治療としては、なんと言っても「胃腸の安静」(つまりは絶食のことです)が最重要です。ノロウィルス胃腸炎になったとき、完全に24時間絶食を貫くことがで きれば、たちどころに治癒に向かうでしょう。この場合、幾分か脱水気味になりますので、下記の点滴を併用するのがよいでしょう。
          この他、胃薬・制吐剤(吐き気止め)・整腸剤などの内服薬があります。止痢薬(下痢止め)の使用については現時点では賛否両論です。止痢薬はウィルスを体内に留めさせるこ とになるので用いるべきではないという意見が日本の厚生労働省などで存在する一方で、下痢による脱水症状は全身状態を衰弱させるので止痢薬を用いるべきで あるとする意見も米国FDAなどで世界中に支持されています。
          重症例で下痢が酷くて脱水傾向の場合には、病院で行う点滴(輸液)が有効です。上記に書いた「胃腸の安静(=絶食)」と脱水予防を同時に行えるからです。家庭では点滴はできませんから、スポーツドリンクなど電解質を含む液体を人肌に温めてから飲むことが推奨されます。


          *予防法・・・感染の連鎖を瀬戸際で食い止めましょう。

          ここまで説明したことを総合すると、特に飲食物を扱う人間が充分に注意を払うことが感染予防に繋がります。まずは調理者が充分に手洗いをすること、そして調 理器具を衛生的に保つことが重要になります。ノロウィルスは85度以上1分間以上の加熱によって感染性を失うので、食品は中心部まで完全に加熱させることが重要です。
          また、上に書いたように感染経路は最終的には「経口感染」ですから、「うつされる側」が瀬戸際で気を付けることが最終的には最も有効 です。つまり、食事前の綿密な手洗いやうがい→手洗いの後は周囲のものに触れない(厳密には、蛇口やドアノブにも触れずに食事へ向かいます;コツは・・・ 工夫してください)。もちろん、手洗い後のタオルは家族で別々のものにします。


          当院にもこのノロウィルス胃腸炎で来院される患者さんが多くいらっしゃいますが、どのお方も本当に辛そうな表情をされて来られるので私どもも一日でも早く完治して欲しいという一心で診療を行っています。点滴などで早期に楽になることができますので、早めにご受診くださいね。

          * ちなみに「ノロウイルス」、「ロタウイルス」、「サポウイルス」、「アデノウイルス」などが胃腸炎の原因になるウィルスです。どのウィルスかによって治療に違いはありませんので、ウィルスを同定する検査までは臨床上は必要ありません。また、ウィルス性胃腸炎になってしまった場合、感染した経路を知りたくなるものですが、集団発生でもしていないかぎり感染経路はつかめないことがほとんどです。


          胃潰瘍と十二指腸潰瘍の違い

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            皆さんは「胃潰瘍」と「十二指腸潰瘍」の違いをご存じですか?

            どちらも一度は耳にしたことはあるが、場所以外の違いについては詳しくは知らない・・・という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
            そこで今日はこの両者の違いについてご説明したいと思います。


            まず、基本的に胃潰瘍と十二指腸潰瘍は似ています。
            どちらにも共通している「潰瘍」の意味についてですが「潰瘍」とは胃や十二指腸の壁に傷が付き粘膜の下までえぐられた状態のことをいいます。できる場所によ り「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」と名称を区別されてはいますが、病態や治療が似ているため、この二つをひっくるめて「消化性潰瘍」と呼ぶこともあります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の症状としては、心窩部痛・みぞおち痛・上腹部痛(鈍痛)・悪心・嘔吐、胸焼けなどです。原因としては、ピロリ菌の感染・頭痛薬などの 非ステロイド性抗炎症薬の服用・ストレスで胃の粘膜の防御機能が弱くなるなどが挙げられます。治療としては、胃酸分泌抑制薬や胃粘膜保護薬などがあります。 胃酸分泌抑制薬は、胃を刺激する胃酸の分泌を強力に抑える薬剤で、H2受容体拮抗薬やプロトンポンプインヒビター(PPI)などがあります。

            ・・・つまり、症状・治療薬ともほぼ同じなのです。

            では、本題。
            胃潰瘍と十二指腸潰瘍の違いは。

            ○まず胃潰瘍の特徴からお話していきましょう。
            胃潰瘍の好発部位は胃角部小弯側(いかくぶしょうわんそく)といって、バリウム検査の写真で胃を撮影した時に一ヶ所へこんで曲がり角のように見える場所(胃の真ん中付近)をいいます。
            痛みは食後の割と早いうちにでることが多いです。年齢層は40〜60歳代です。


            胃角部小弯側にできた胃潰瘍


            ○次に十二指腸潰瘍です。
            十二指腸潰瘍の好発部位は十二指腸球部前壁といって胃の幽門部(胃の出口)のすぐ後ろにある十二指腸で、バリウム検査の写真でボールのように丸くみえるところです。
            痛みは空腹時や夜間などに多く、食事によって痛みが和らぎます。年齢層は20〜40歳代です。



            いかがでしょうか。
            臨床的には(つまり普段の診察の時は)、医師は患者が若年なら十二指腸潰瘍を疑い、患者が中年以降なら胃潰瘍の可能性にウェイトをシフトさせるといった感覚です。
            (そして、胃内視鏡検査を必ず行い、悪性を除外しておくことがなによりも重要となります。)
            (参照)要注意! 胃潰瘍と似ている胃がん


            胃潰瘍でも十二指腸潰瘍でも、放置するとどんどん潰瘍は深くなり、胃や十二指腸に穴が空いてしまう「穿孔」という状態が起こります。こうなると、激しい腹 痛が起こり”腹膜炎”というひどい状態になります。胃液や腸液が消化管の外に漏れ出て重篤な炎症を起こし、緊急手術が必要となるのです。
            何だか聞いただけで恐ろしい気持ちになりますよね。
            こうならない為にも、最近胃が痛くなることが多いなという方は早めの内視鏡検査を受けてくださいね。


            慢性胃炎について

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              慢性胃炎とはどんな病気かご存知でしょうか?

              慢性胃炎とは胃の粘膜が何らかの原因で傷付き、炎症を起こしている状態が持続的に繰り返され る病態のことをいいます。以前は慢性胃炎とは長年に渡る刺激によって胃粘液に生じた変化で、その大部分は病気ではなく年を取ることによって変化してきたも のだとされてきました。しかし近年ではピロリ菌によるものが大半であるという考えが主流になってきています。
              吐き気・嘔吐・腹部膨満感・みぞおちの痛み・胸焼けなどの症状が現れ、連続的に繰り返される場合に慢性胃炎と診断されます。(胃炎になっても無症状という人も多くいます)


              では、どのような機序で慢性胃炎になってしまうのでしょうか?
              まず、ピロリ菌感染が原因で胃の粘膜の萎縮が生じて慢性胃炎になるケースがあります。
              (参照)ピロリ菌とは


              ピロリ菌感染で高度の萎縮が生じた胃粘膜



              次に、環境要因で慢性胃炎になるケースがあります。
              胃 というのは食べ物を消化するために胃酸によって絶えず刺激を受けています。精神的ストレス・アルコールの飲みすぎ・暴飲暴食などで胃酸の分泌が過多になっ てしまい、胃壁を守っている粘膜が胃酸によって消化されて炎症をきたし、「びらん」というただれた状態を作ってしまいます(慢性胃炎)。軽度のびらんの場 合は原因となったストレス等がなくなると時間とともに経過が良くなっていきますが、重度の胃炎の場合は胃壁が萎縮してしまい症状が慢性化してしまいます。


              慢性胃炎の治療法としては、無症状の場合は特に投薬は行わずに経過観察のみとなりますが、症状がある場合は食事療法または薬物療法が必要となります。
              不規則な生活やストレスの原因となるものを排除し、心身をリラックスさせることも胃の健康のためには大切なことですので日々の生活の中で心がけていきましょう。
              (参照)急性胃炎・慢性胃炎とは


              大腸内視鏡検査に用いられるファイバーの紹介

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                実は、大腸検査に用いられる内視鏡ファイバーには多くの種類があるということをご存じですか!?

                一般的に、大腸内視鏡ファイ バーは全長約1m20〜50cmで、口径(太さ)は大体は1cm前後です。肛門から入り、直腸(肛門のすぐ奥の腸)から回盲弁(小腸と大腸のつなぎめの部 分)までの大腸全域、小腸の一部までを観察・診断することができます。腫瘍の一部から組織を採取する「生検」や、ポリープ切除などの処置をすることが可能 です。
                ・・・と、ここまではどんなファイバーでも概ね共通ですね。

                ところが、細かい部分になりますが、大腸内視鏡ファイバーの種類によって口径(太さ)、硬度、硬度可変機能の有無、特殊光観察能力の有無、拡大観察能力の有無・・・・様々な点で性能が微妙に異なるのです。

                今回は、その中で当院が使用している内視鏡のうち、代表的なものをご紹介したいと思います。
                (当院で使用する内視鏡ファイバーは2012年初現在、すべてオリンパス社製です)

                (以下、メーカーHPからの一部抜粋)
                OLYMPUS CF TYPE Q260AL/I;高解像度CCD採用。観察、挿入、操作性に優れた新スタンダードスコープ
                高解像度CCDを採用して高画質化を実現した、挿入性に優れた大腸スコープ。
                従来機種であるCF-240AL/Iと同等の外径ながらQタイプスコープの高画質を実現し、チャンネルも3.2mmを確保しているので、幅広い病変の観察・処置に対応できます。



                (抜粋終わり)


                この「OLYMPUS CF TYPE Q260AL/I」、通称「QCF」は大腸用の内視鏡ファイバーでは標準的なタイプです。最新の高解像CCD の採用により解像力が向上した高画質の内視鏡です。挿入に優れた細径タイプで、内視鏡の硬さを切り替えグリップで変えられます(=硬度可変機能)。ファイ バーを軟らかくしたり硬くしたりして(コシを変化させる)、緩急をつけることにより、スムーズに挿入可能です。オリンパスが2006年に発表した新型内視 鏡システム;EVIS LUCERA SPECTRUMにおいては、このファイバーが最も標準的と言ってよいでしょう。

                こんなマニアックなことなど、おそらく知らない方のほうが多いのではないのでしょうか(当たり前ですね。検査を受ける患者さんとしても知っておく必要は全くありません・・・)。


                医療機関の診察待ち時間はなぜ長いのか?〜医療事務員の立場から〜

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                  今回は、当院の医療事務員に「医療機関の診察待ち時間が長い理由」を考えてもらいました。
                  私は最後にコメントを付けるだけにします。


                  (以下、始まり)


                  皆さんは今まで医療機関へ行って長時間のあいだ待たされた経験はありませんか?
                  おそらくほとんどの方が一度は経験されていると思います。
                  病院へ通院するうえでの一番の苦行はどんな診察よりも「診察前の待ち時間」かもしれませんね。そこで今回は「なぜ医療機関の待ち時間は長くなるのか」についてお話したいと思います。

                  説その 病状によって実際よりも待ち時間が長く感じる

                  まず、医療機関には一体どのような状態の人たちが来るのかを考えてみましょう。医療機関には大きく分けて「今、体調が悪い人」と「今の体調は悪くないが定期 チェックを受けに来ている人」と2種類の人々が来ます。前者は「具合が悪いのに何故こんなに待たせるんだ!」と憤るし、後者は「具合も悪くないのに病院で待っているだけの時間が勿体無い!」と苛立ちます。

                  説その◆待ち時間の目途がわからないので待ち時間が長く感じる
                  「どのくらい待てば自分の診療の番が回ってくるのか分からない」というのも挙げられます。もし正確に待ち時間が分かっていれば、それまでの時間を有効活用できますし、体調の悪い患者さんも診察時間までどう過ごせば良いかを考えられますよね。

                  このような背景がありながらも多くの患者さんを相手に問診→診察→処置→薬の処方とこなしていかなければいけないので、大概は長時間のあいだ患者さんをお待たせしてしまうことになるのです。待ち時間の問題は、患者数の多い医療機関で働く者としては、患者さんの気持ちを考えると頭の痛い問題であり非常に深刻な問題です。



                  *診察待ち時間を改善させる良い方法はないのだろうか?
                  待ち時間を改善させる方法について、是非とも見習いたいと思えるのがディズニーランドのアトラクションです。ディズニーランドのアトラクションの行列の最後尾には、かなり正確な「待ち時間」が表示されています。私自身、これまで何度もディズニーランドに行きましたが、その「待ち時間」の正確さにはとても感心した記憶があります。最初に待ち時間をお客様に提示することで、「これだけ待ってもあのアトラクションに乗りたいですか?」というお客さんへの問いかけになっている訳です。

                  医療機関においても同様に「現在の(あくまでも予想)待ち時間」というのを患者さんに表示できれば大きな改善へと繋がるのではと思います。
                  当院では、受付に待ち時間の目安(曜日や時間帯別に待ち時間の目安を色分けしています)を張り出しています・・・当院への来院経験がある方であれば、一度は見かけたことがあるのではないでしょうか? また、待ち時間が苦手な患者さん向けに「予約診療枠」を設けることで、来院の分散化を図る工夫を凝らしています。(実際、診療を予約して来院された患者さんから待ち時間のクレームを頂いたことはありません)さらに、混雑時には患者さんにお待たせする旨の「お知らせ用紙」を配布しています。

                  いかがですか?
                  診察待ち時間が長い理由が少しは解明されたでしょうか?
                  今回この記事を書くにあたり、私自身も改めて何故こんなにも長い時間お待たせしてしまうのかと深く考えることになりました。当院では全ての職員がどんな業務よりも患者さん最優先に行動をとっています。それでもなかなか解決されることのないこの問題はおそらく医療機関においての永遠のテーマであり、ある意味宿命なのではないかと思います。だからこそ今後もこの問題と向き合い続けていきたいと思いますね。


                  (以上、終わり)


                  そうですね。なかなか良い記事になりました。
                  「実際の待ち時間が生じてしまう理由」には触れられていませんが、「待ち時間が実際よりも長く感じる」というのは私の考えたことのない視点でした。色々な観点からの意見があるものですね。


                  鼻内視鏡検査の直後の患者さんの様子〜看護師の視点から〜

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                    当院はこれまでたくさんの患者様に内視鏡検査をお受けいただいてきました。
                    検査には様々な思いを持った患者さんが来院されます。内視鏡検査を受け る全ての方々に安心していただけるよう、今回は胃カメラの検査直後の患者さんの様子を何点か分かりやすくお伝えします。今後、内視鏡検査をお受けになる方 へ少しでも院内の様子や検査の時の様子がわかればと思います。

                    ●鼻からの胃の内視鏡検査を終えた患者さんは、回復室(リカバリールーム) にベッドに乗ったまま移動していただいて鎮静剤の効果が落ち着くまで休憩をしていただきます。内視鏡検査の最中は胃の中の所見について医師がお話しながら 進行していくことが可能ですが、検査終了後もそのまま医師としばらく話し込む方もいますし、反対に鎮静剤の影響で眠気が強く眠ってしまう方もいらっしゃい ます。

                    ●回復室(リカバリールーム)では、患者さんの様子を伺って「患者さんを最終診察へ案内できそうなのか」「鎮静剤の影響はどのくら い残っているか」を看護師が判断します。十分に回復が見られたら、検査結果を詳細に記載した「検査報告書(写真付き)」をお渡しして、最終診察に案内いた します。この時の患者さんの反応としては、「検査もう終わったんですか?」「いや〜ほっとしました」「安心しました」など、検査前の緊張感から解放されて ホッとして安心した表情や笑顔を拝見することがよくあります。中には無事に検査が終えられたことの安堵感から涙をこぼす方までいらっしゃいます。ご自身の 体調を気遣い健康や検査自体に対する心配や不安があったからこその涙ですね。

                    ●経鼻内視鏡検査後に患者さんからのご質問の中でダントツの 1番は「ご飯はいつから食べていいですか?」「今日お酒は飲めますか?」とやはり食事に関するご質問です。胃や大腸など消化管の検査は空腹状態にして検査 をすることが多く、空腹は患者さんにとってストレスの原因の一つです。特に当院はららぽーと横浜内にあることから「検査が終わったらおいしいものを食べる ぞー!!」と楽しみにして(または、それを励みに?)来院される方もいるようです。
                    検査後の患者さんへの注意点としては「今日は消化に良いお食事で満腹をさけてくださいね。腹八分目がちょうどいいですよ。お酒も今日は控えてくださいね。」とお伝えしています。
                    その注意点の理由は
                    ^澆涼罎魎袷瓦剖っぽにして検査を受けていただいている
                    鎮静剤の影響が長引くと飲酒によりその効果がやや強く出てしまう
                    A反ジ〆困鮃圓辰疹豺腓楼酒により血流が良くなってその部分から出血する可能性がある
                    などです。
                    そうお伝えすると患者さんが少しガッカリした表情をされる方もいらっしゃいます・・・お伝えする側としてもとても心苦しい思いですが、安全に検査を終えられ、その後の合併症を予防するためには仕方のないことなので、ご理解のほどどうぞよろしくお願いいたしますね。

                    ●そして最終診察があります。
                    検 査結果を詳細に記載した「検査報告書(写真付き)」を用いて、患者さんへ現在の胃の状態やピロリ菌の有無などを説明します。今後の治療方針や次回の内視鏡 検査までの適切な間隔など説明があります。患者さんご自身が思っていたほど悪くない検査結果だった場合や特に問題ないと説明された場合には、とても安心し た様子でご帰宅されます。

                    来院からご帰宅まで1時間から1時間30分程度となります。時間としてみると短時間かもしれませんが、患者さんにとっては一大イベント。とても長く感じるようですね。
                    ご自身の健康管理のために定期的な内視鏡検査はとても大切です。少しでもご参考にしていただき、経鼻内視鏡検査を受ける決心の一助となれば幸いです。鼻からの内視鏡検査を受けられたみなさま、大変おつかれさまでした。


                    経鼻内視鏡検査の直前の患者さんの様子〜看護師の視点から〜

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                      内視鏡検査前の患者さんはどのような様子なのでしょうか?               

                      当院はこれまでたくさんの患者様に内視鏡検査を お受けいただいてきました。検査には様々な思いを持った患者さんが来院されます。内視鏡検査を受ける全ての方々に安心していただけるよう、今回は胃カメラ の検査直前の患者さんの様子を何点か分かりやすくお伝えします。今後、内視鏡検査をお受けになる方へ少しでも院内の様子や検査の時の様子がわかればと思い ます。

                      ●検査当日は、検査開始時間の30分前に受付を済ませて頂くようにお願いしていますが「少し早めに行こうと思いまして...」と1時間ほど早く到着される方もいらっしゃいます。早く到着されれば、その分、早く検査をご案内できる場合もあります。

                      ● 検査前の準備室に案内するときに受付カウンターと反対側(クリニックのトイレ側)からお名前をお呼びすると大きなお声で「はいっ!」とあわてて受付へ行か れたり診察室の方向へいかれたりという方もいらっしゃいます。その為私たちも慌てて「こちらですよ〜」とご案内することもしばしばです。声って反射するの ですね。そういえば「音源定位」って呼ぶのでしたか、こういうの。

                      ●問診でお話をお伺いしますと「緊張していまして」「初めて(胃カメラを)受けるのでよくわからなくて」というご意見も多く、夕べはあまり眠れなかったとお顔の表情には不安な様子がいっぱい...という方もいらっしゃいます。

                      ●反対に定期的に受けていらっしゃる患者様は「もう、毎年のことなので慣れっこですよ」「前回は眠っちゃってあんまり覚えてないから今年は鎮静剤少なめで・・・」という患者さんもいらっしゃいます。ベストの検査になるよう、全力で検査いたします。

                      ●胃カメラの検査の前には消泡剤を飲んでいただきますが、こちらも「思ってたより飲みやすかったですよ」「お薬ってわかってるんですけどおいしくないねぇ」「これはイチゴ味とかはないんですか?」と要望される方も時々いらっしゃいます。
                      しかし暑い夏の時期であれば「冷たくておいしかったです」「外は暑かったから助かりました」となりますが、反対に雪も降りそうな寒い冬場は「さむ〜い」「からだが冷えそう」となるなど、季節によっては同じお薬でも患者さんの反応やご意見は様々です。

                      ● また胃カメラの検査前の準備として一番のハイライトは鼻にする麻酔ではないでしょうか。私たちもあらかじめ「苦いですよ、お鼻の奥がつんとしますよ」と声 をかけながら麻酔をしますが、やはり患者様の第一声は「まずいっ!」「にが〜い」「くしゃみが出そうです」などです。この直後に、くしゃみをされて、鼻麻 酔のお薬が全部出てしまう方や鼻がムズムズして涙がでても無言で耐えるという忍耐強い方もいらっしゃいます。また前回の鼻麻酔の時の記憶が甦り、鼻麻酔す る瞬間に体がじっと硬くなってしまう方もいらっしゃいます。
                      経鼻内視鏡の検査直前の鼻麻酔は楽に検査を受けるためには重要な前準備ですので、無理なく鼻麻酔が進められるように頑張りたいと思います。

                      →ここまで準備ができましたら、いよいよ内視鏡検査室に移動していただきます!


                      内視鏡検査室内は、やはり患者さんの不安が強くなるタイミングですので、私たちもなるべく多く声をかけさせていただきます。
                      一人一人の患者さんがどんなお気持ちでいらっしゃるのか、検査のどんな部分に対して一番心配されているのか、検査中は楽に検査を受けられているか、などに気を配りつつ最高のサポートをすることができればと考えております。



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